第55話 作戦開始

「いや〜王様との結婚もいよいよ今日となりましたね。いつもの様に平和なままだと願いたいですね」


「...」


「クロエ姫様。笑顔笑顔。貴方は現国王のマクラ様の第二夫人なんですから。時期国王の為に強い子を産みましょう」


「...」


 メイドが横で何かを言っているが、クロエは窓の外を見て無視をして居た。実にくだらない結婚だと思う、ただただ要素が優れているだけで、クロエの家族を人質に取り無理矢理妻にしようとする。クロエは元は貴族であったが、誘いを断った事に家族は塗り衣を着らされ捕まってしまった。自分達を自由になる為にはこの1年間5億Gを集めるのが条件だった。


 クロエが本当に5億Gを稼いだ事にマクラは焦り、条件をなかった事にしたのだ。

クロエはマクラを従っている魔導師達の実力が相当なものだと知って居た為、レイヤ達に危害を加えない様に結婚を承諾した。


「(本当に楽しかったな...でも、もう遊びはおしまい。ボクはレイヤ達にも家族にも迷惑かけない様にボク自身を犠牲にする...あの旅にボクが居なくても、楽しくやって行ける。あのチームは本当に強いから)」


 クロエは悲しそうな表情で夜空を見上げて居た。

すると、空から一本の大きな稲妻が落ちる。砂の国は砂漠地帯、雨なんて降らない事に稲妻がこの国に落ちた事は初めてだった。


「...ち、違う。これは自然なモノじゃない!この感じ...レイヤ?」


「クロエ姫様!!すぐ避難してください!この国に賊が3人潜り込んできました!」


「(...3人?こんな国に対して3人で?...レイヤ、リン、フウカ...もしかしてこの3人じゃないよね?)」


 クロエは確認しようと稲妻が落ちた場所に向かおうと、窓から出ようとするが、砂で使った柵が現れる。


「おっと、姫さん。どこに行くんだ?お前には外に出る許可は降りてねぇぞ?」


「敵手よ?お前はここに居ても良いの?」


「あ?お前人数の話し聞いてただろ?3人だぞ?この国の兵数はざっと6万はいる。どうやって、たった3人で6万の兵士をやるんだ?逆に俺が知りたいもんだ」


「...お前なら可能だろう。この砂漠地帯で」


「...まぁな。仮にこの3人がお前の仲間だったら、今のうちに1人葬式でも開くのがおすすめだ。どうせ死体なんぞ残らねぇ。だって、あそこにノーディが行ったからな。奴は全てを喰らうぞ」


そして、時は少し遡り。

 レイヤ達がクロエを奪還させると作戦を立てた3日後。スネイから持った美食屋が持つ軍艦に近い性能を持つ船に乗って居た。


「いや、まさかシャルが操縦技術あるなんて思ってみなかったよ」


「シャーロットは、たまに妹の船を動かす事があったからな」


「が、頑張りましゅ!」


 船の性能が良くて、シャーロットの船の操縦が上手かった事から5日間でつく旅が、たった3日で着くのだった。


「さて、始めるか」


「んー、久しぶりの多数との相手だ」


「...」


 レイヤ、ガルドーザ、ガイアはデザートラベル帝国の入り口の真正面に上陸した。すぐに警備員はレイヤ達を囲む。


「この国に来た理由を話せ!お前らの様な人間が上陸する情報が入って居ない!旅の者なら通行証はあるよな?」


「んー、そんなもんはない。俺らが来た理由は国堕としだ...雷轟爆豪らいごうばくごう!!」


空から無数の稲妻が落ちていく。

警備隊の兵士達は稲妻を浴びて感電するのであった。


「さて、リン達が安全に裏通りを回れる様に、暴れるぞ」


「なら、通るのにあの壁は邪魔だな。待ってろ、今こじ開ける」


するとガイアが前に立ち、鼻から空気を吸う。


「猛牛の咆哮!!!!」


腹に溜めた空気を、一気に放った。

 それは風の龍が放つ咆哮と同等な威力。壁は風によって吹き飛ばした。


「...マジか」


「それでレイジー。暴れるんだろ?この作戦は汝がリーダーだ。汝の後に進むだけ」


「そうか。なら、行くぞ。雷装!!」


レイヤは手足に雷の鎧を纏わせて、阿修羅刀を抜刀した。


「敵襲だぁ!!相手は3人!!囲め!!」


「弥生・餓狼天!」


 地面を抉りながら前方へ向かう5つの斬撃を飛ばした。襲われる斬撃に警備隊達は斬られるのだ。阿修羅刀は肉を斬ったことに、炎が宿る。レイヤは炎を纏った阿修羅刀で速いスピードで次々と敵を斬る。


「(まだ、若いのに迷いがない...あの若さでどれほどの修羅場を潜ってきたと言うんだ?人を殺す恐怖、自分が殺される恐怖が寸分も感じない)」


「ウモォォオ!!!」


 ガイアはレイヤの後に続いて、無数の敵を一斉に薙ぎ払う。


「あらあら、侵入者は貴方達で良いわね?」


「あ?」


 レイヤ達の前に現れたのは、男なのに濃いメイクをした茶髪ロン毛の男。


「あら?1人可愛い子ちゃんがいるんじゃなち?まぁ、そんな事より私はノーディ。貴方達の様なバカの賊を喰らう魔導師よ」


「ああ、そうか。なら死ね」


 そしてその頃、レイヤ達が真っ正面で暴れてるおかげで、裏にいた警備隊は手薄になって居た。

全員で入るのは危険な事に、クロエと関わりがあるリン、フウカ、シャーロットの3人が侵入する事になる。


「しゃ、シャロ?それって何ですか?」


「こ、これですか?」


侵入する前にシャーロットはモグモグも丸い何かを食べて居た。


「こ、これは私が作った、緊張しないお薬です!」


「ふーん、薬師の技術もあるんですね。すごい事です」


「え?え、えへっ、えへへへ、あ、あ、ありがとうございます!ひ、一つどう?...ですか?」


「えっと...お言葉に甘えて一つ貰います」


フウカはシャーロットから、一粒口に運んだ。


「(ん〜不味くもなく、美味くもありませんね...体がポカポカする感じですね?...あ、あれ?この感じどこかで...これって!)」


フウカは確かめる為に自分の髪の毛を確認する。

だが、それはいつも通りの黒髪だった。


「(髪色は変わって居ない。でも、この感じ羅生門を使った時と同じ。身体が軽い...シャロさんが作っている薬って...羅生門と堂々に身体強化する薬...?!)」


「フウカ、シャロ何やってるの?行くよ?」


「はい!」


「...」


「フウカちゃん?」


「(シャロさん、自分がどれほどとんでもない薬を作っているのか自覚はない様ですね。これは気をつけるべきです。羅生門は強力な力の代わり取得難易度は高め、代償も物凄い体力を使う...でも、シャロさんのは、見た感じ疲れもないって事は代償なしの羅生門って事になります...これが世に知られれば...)」


「シャロさん」


「ふぇ?な、なんです?...か?」


「...頑張りましょう!」


「?...はい!」

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