第5話 薄っぺらい正義
「今回、手に入れた呪いはどう言ったものですか?」
「さぁ。まだ、分からないや。まだ、俺の中に馴染んでない。いつもなら支配しきれるが、今回の呪いはずっと俺の中で抵抗してくる。下手したら今までゲットしてきた呪具の中で1番強力かもしれんな」
レイヤは嬉しそうに笑うのだった。
より強力な呪具が手に入れば、夢に一歩近づけれるからだ。そして、レイヤ達は街に戻ると、建物が燃え上がっている。
「ど、どう言う事ですか...辞めなさい!!!」
フウカが1番驚いていた。
何故なら、街を襲っていたのは魔導師だったからだ。
「あ?フウカじゃねぇか。どこ行ってたんだよ。もう、調査は始まってるぞ」
「ガハードさん!!貴方、自分が何をしているのか分かっているのですか?!」
「あ?だって、こいつら呪具の居場所を知らないって嘘をつくからな」
「嘘は言っていない!!本当に俺達は知らないんだ!」
店主のおっさんはガハードに踏まれている。
「はぁ、隠さないでくれよ?俺らは魔導師なんだぞ?隠していると反逆者として死刑にしても良いんだぞ?」
「だから、本当に!!」
「なら死ね」
ガハードが店主に向かって銃弾を放とうとした瞬間、レイヤは雷神ノ怨を咥えて、足に雷を纏わせて店主の服を掴んで距離を取った。
雷神ノ怨
それは自由自在に雷を操ったり纏う事が出来るが、雷を扱うときに全身に強力な電流が回る呪いがある。
「これが、魔導師のやり方か?」
「あ?お前は政府に楯突くのか?」
「ああ、だって俺魔賊だもん。
レイヤは店主を助ける時に、バックの中から刃の幅が広い短刀のような形で柄の部分は布のようなもので巻かれている呪具を取り出した。
呪魔ノ剣
いたってそこまでの強力な力と呪いはない。この剣には魔力がこもった攻撃や武器の攻撃を耐えきれる頑丈を持っている。呪いは柄を握っている時に、少しずつ体力を奪われる。
「レイヤさん!!」
「あ?!」
レイヤとガハードが戦闘を始めようとした時、フウカに呼び止められる。レイヤはフウカの所に行き、ガハードから距離を取った。
「なんだ?お前、もしかして魔導師に手を出すなって言うんじゃねぇよな?」
「いえ、あれは私の上司にあたる方です。この件はこの私に責任を取らせて下さい」
「...そうか。なら、俺は他の奴らを相手してる」
「ありがとうございます」
「おい、フウカ。なんで、お前がそいつの肩を貸しているんだ?そいつは俺に手を出した犯罪者だぞ?」
「犯罪者は誰ですか?権力を振りかざす行為、万死に値します。魔導師は人々を助ける人達じゃないのですか?正義の名が泣きます」
「これも正義だ」
「そんな正義なら、私から願い下げです。私は魔導師を辞めて、魔賊になった方がマシです」
それを聞いたガハードは目を納めて睨みつける。
「なるほど。その男に唆されたんだな?まぁ、お前の様な奴が魔賊に堕ちていく方が、こちとらありがたいものだ。お前の様な正義感が強い女が大っ嫌いなんだよ」
「私は、貴方の様な薄っぺらい生き方が嫌いでしたよ」
フウカはガントレットを装着する。
そして、足に魔力を込めてガハードに踏み込んだ。
「来いよ!!裏切り者!!」
ガハードはフウカに向かって銃口を向けた。
だが、ガハードの視界ではフウカの姿が突然と消える。ガハードがフウカの存在に次に気付いた時は、蹴りを入れられていたのだった。
「これが薄っぺらいって事なんですよ。部下に命令ばかりをして、自分は何もせずにその地位まで上り詰めていましたからね。実力なんて二等兵以下です!」
「終わったか?」
「...はい。終わりました」
フウカはレイヤ達の方は振り返ると、そこは何十人もいた魔導師が倒れていた。
「(この一瞬であの人数を...もし、あの時この2人が本気で私を殺しにかかれば、瞬殺だった様ですね...)」
「ねぇねぇ、フウカ」
「はい?」
「フウカ、魔導師を辞めるの?」
「まぁ、上司に喧嘩を売っちゃいましたからね。クビかそれか捕まるかなどちらかですかね」
「なら、アタシの仲間になってよ!!」
「な、仲間ですか?」
「うん!」
フウカはリンの誘いを、どうするか深く考えるのだった。
「(自由な正義...)」
「分かりました。私は魔導師を辞めて、魔賊になります」
「わぁーい!これで2人目だ!」
リンは嬉しそうに飛び跳ねるのだった。
そして、倒れているガハードと魔導師達を軍艦に放り投げて、軍艦を自動運転モードに切り替えてガハードの支部で帰らせたのだ。
「悪いな。兄ちゃん達。助けてくれてよ」
「あはは、良いってよ!こちとらハニーエールをサービスしてくれた恩もあるからな」
「此方こそ、元部下とは言え、共に過ごした元仲間でもあります。この島に危害を加えた事、心からお詫びします」
フウカは明日から立ち上がり、深く頭を下げる。
「頭を上げろ!そもそも嬢ちゃんは何もしてないだろ?逆に助けてくれたじゃないか...なら、助けた恩を返さないとな。今日は宴だ!!この俺が美味い料理を振る舞おう!」
「「「「わぁーい!」」」」
大量の料理が出された事に4人は嬉しそうにはしゃぐのだった。
「美味そう!」
「おお!」
「こんな美味い料理を振る舞ってくれるなんて、ありがとうございます」
「うん、この肉美味〜」
「...ん?」
「...あん?」
「え?」
「「「...誰?」」」
3人の横に、いつ現れたのか分からない、フードを被っている人間が肉を食っていたのだった。
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