第2話 魔賊

「...アタシの仲間になってよ!」


「はぁ?仲間?」


「うん!アタシ、魔賊まぞくなの!」


魔賊

 それは、珍獣や財宝を他者から捕虜にして売買したり、奪ったりする者達を示す。だが、魔賊はそれを目的にする者もいるが、ほとんどの魔賊の目的は...


「この世を制覇する。アタシは最強を示し、剣帝になる」


「剣帝?別に剣聖にでも良いんじゃないのか?」


剣帝と剣聖

 剣帝は魔賊の中で、1番最強の剣士に与えられる称号。剣聖は政府側で最強の剣士に与えられる称号を示す。


「それも良い案だけど、剣帝と剣聖。どっちが強い?歴史に置いて」


「剣帝だな」


 過去何度も、歴代剣帝と剣聖は渡り合っていた。

だが、いつも勝者するのは剣帝の方だった。その事からこの世で1番強い剣士は剣帝という認識が強い。


「例え犯罪を犯し茨の道を歩もうが、アタシの夢を真っ当する。女でも...こんなアタシでも剣帝になれるって!」


「へぇ、良い夢持ってんだな...でも、俺は誰の下にもつかないよ。俺にも夢があるから...魔力がなくても、呪いだけで魔導王になれる事を証明する」


魔導王

 それは、この世界によって剣帝以上に憧れている称号。魔力が中心の世界で、1番最強の魔導師に与えられる称号なのだ。


「だから、誰かの下について遠回りしている暇はないんだよ。それに俺の夢は魔賊じゃなくても叶えられるさ」


「...魔力がないのに?魔導王になるの?」


...なんだ、こいつも俺をバカにするのか。魔力がないからって、全否定してくるやつと同じか


「面白い!!本気でレイヤの事気に入ったよ!!未来の剣帝と魔導王!」


「...バカにしないのか?俺は魔力が一切ないんだぞ?」


「なんでバカにするの?魔力がないからってなんなの?それは夢を否定するは違くない?諦めてない...それって夢を追うには充分な理由。魔力がないからって、剣の才能がないからって、夢を否定するのは違う。最も重要なのはどれほど本気なのかでしょ?」


「...」


その言葉を聞いて、レイヤは目を大きく見開くのだった。そして、レイヤはニヤリと笑った。


「お前、面白いな。リンって言ったっけ?お前と夢を追う旅をするのは悪くなさそうだな」


「それって、仲間になってくれるって事?!」


「ああ、仲間になるが。下につくのは、まだお預けだな」


「ええー!アタシが賊長だよ!」


「なら、それに相応しいのか俺に示して欲しいな...そんな事より、呪具を取りに行くの、付き添いしてくれるか?」


「うん!仲間だもん!一緒に撮りに行こう!!」


 レイヤとリンは肩を並べて、呪具があると思われる場所に向かうのであった。そして、その頃海の方から2隻の軍艦が現れるのだ。


「フウカ伍長!目的の場所にもうすぐつきます!」


 男は敬礼した先にいたのは、腰まで伸びている漆黒色のサラサラとしたハーフアップストレートロングの黒目の女性。


「分かりました。今回の作戦の責任者でもある、ガハードさんを起こして下さい。その後の作戦はあの人の指示を従ってください」


「はい!ガハード曹長を起こしてきます!」


「はい。お願いします」


フウカは今から上陸する島を眺めていた。

 彼女達は魔導師協会の人物で、この五つの世界の治安を守る者達。今回の任務は呪具があると思われてる島の調査。呪具は扱い切れないが、強力な力を持ってる事に政府達は回収を試みている。


「おい!フウカ!俺を起こすんじゃねぇ!」


起こされたガハードは不機嫌そうな表情を浮かべる。


「どうせ起こすなら、お前で来い。目覚めて目の前に男は目覚め最悪だ!」


「すみませんでした。それより、目的の場所に着きます」


「あ?...あー、そうか。上から面倒な依頼を押し付けられたんだったな。呪具の回収だったっけ?そんなの島の住民に聞け。隠している様子だったら、少し痛い目に合わせれば良い。どうせ、こんな田舎島で何も出来ない」


「...憧れていた正義は、随分と薄っぺらいモノでしたね。これが正義ですか。本当に醜いモノですね。私はこんな薄っぺらい正義の為に、強くなって来たのでしょうかね」


「あ?聞こえねぇ!何て言った?」


「いえ、何でもありません。分かりました」


 そして軍艦は島に辿り着き、フウカと共に魔兵と上陸するのであった。そして、反対側の島から小舟から降りる一つの人影があった。


「...お腹空いた」


 その者はボロいマントを背負い、深くフードを被っていた。


「ご飯の匂いがする...」


グゥーっと腹の音を鳴らしていた。

 街がある方向に進むと、目の前に釣竿を持った2人の男がいた。


「なんかよ、この島に魔導師が来ているそうじゃねぇか」


「え?そうなのか?何しに来たのか?」


「この島に眠る、財宝の回収だってさ」


「あ?財宝?あれって本当の話なのか?」


「さぁな。俺も子供の時からその話を聞いたけど、本当かは知らねぇ」


「(...財宝)」


その言葉に思わず歩くの辞めた。

財宝がある事に、お金が得る事になる。


「財宝。ラッキー」


 魔兵がその財宝を狙っている事なら、魔兵が集まっている場所に向かい、横取りをすると考えるのだった。

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