ダイスの世界で
@WU9
新たな世界へ
20XX年、新たなゲーム機が開発された。
名前を『ゲーティア』という。このゲーム機は、仮想世界へ入ってゲームをプレイ出来るというもの。そして俺こと
俺は今までこのゲーム機で色々なゲームをプレイしてきた。RPG、シューティング、恋愛シュミレーションなどさまざまだ。
そして今回も新しいゲームを購入してきた。題名は『ダイスワールド』。
サイコロを駆使してストーリーを進めていくゲームのようだが、イマイチどんな内容なのかは想像できない。
まあ、どんなゲームだろうと俺にかかればちょちょいのちょいだ!
「それじゃあ始めていくとしようかな。カセットをゲームにセットしてっと」
その後、ゲーティアを装着し目を瞑る。そして意識が暗闇へと落ちる。
意識が戻り目を開けると、辺りが草木に覆われた空間へいた。
そよ風が吹き、大自然の香りが漂っている。
木々の生い茂る中は暗く何も見えない。すると、その中から何者かが近づいてきて声をかけてきた。
「ようこそいらっしゃいました」
木々の中から現れたのは執事の格好をしたゾンビだった。そう、ゾンビなのだ。
「
「お、おう。よろしくな」
「では早速、このゲームについて解説させていただきます」
そう言って指をパチンっと鳴らす。すると、空間が歪んで周りの景色が変わっていく。
歪みが完全に収まると、水色の壁に囲まれた部屋に勉強机、本棚、テレビとテレビ台、そして扉が一つあった。
「須藤 大様。そこにある扉を開けてみて下さい」
俺は指示された通りに扉を開けようとする。しかし扉はビクとも動かない。
「今確認して頂いた通りその扉には鍵がかかっており、これから大様にはこの部屋にある鍵を見つけ出し脱出して頂きたいと思います」
「それでどうやって鍵を見つけ出すんだ?そこら辺の机とか自由に漁ってもいいのか?」
「はい、漁っていただいて構いませんよ。基本的にはRPGと同じで自由に探索して頂きます」
「ん?じゃあこのゲームは普通のRPGと何が違うんだ?」
「このゲームが従来のRPGと違う点といたしましては、探索の際にダイスを振って頂くことがあります。先ほども述べたように、基本は自由に探索できます。しかし、重要な情報を得る場合などは技能を使って頂きます」
「技能?どういうことだ?」
「とりあえず、この部屋を探索されてみてはいかがでしょうか」
「それもそうだな」
一先ず、部屋ある探索できそうなものを片っ端から見ていった。全ての探索を終えて分かった情報といえば机の引き出し2か所が施錠がされていたこと。
1か所は差し込み型の鍵が必要で、もう1か所は4桁の番号が必要なこと。本棚は何もなく、テレビ台からはリモコンを見つけた。
「部屋中探して扉の鍵がありそうな場所の目途はたったけど、それを入手するのにもまた鍵が必要で、その鍵の場所が分からない。これって詰んでない?」
「確かに今の状態では詰みですね。では本棚の方に行きましょうか」
ゾンビの言う通り本棚に近づく。
「近づきましたね。ならそこで〈目星〉と言って下さい」
「めぼし?」
「はい、目星です」
「め、〈目星〉!」
そう発言した途端に、目の前ににサイコロが二つ出てくる。ただし、そこに出てきたのは普通の六面ダイスではない。片方は00~90と書いてあり、もう片方は0 〜 9と書いてある。
「今、目の前にあるサイコロが技能を使用した際に成功か失敗を判定するものとなります。基本的には技能値より小さい値が出れば成功、大きい値が出れば失敗となります。早速ダイスを振ってみて下さい」
俺は目の前のダイスを掴み投げた。
目星(90)→36 成功
どうやらダイス判定は成功したようだ。すると目の前にテキストが出現する。
『本棚の足元を見てみると引き摺ったような跡がある』
と表示された。実際に確認すると、探索した時には気づかなかったが床に薄っすらと引き摺った跡のようなものが見えた。
俺は本棚の本を全て取り出し本棚をずらした。本棚が置いてあった場所を見ると、床にぽつりと穴が開いており、穴の中に鍵が入っていた。
「おめでとうございます、これで次の展開へ進めそうですね。そして、先ほど使用して頂いた〈目星〉。これが前に説明していた技能と呼ばれるものの1つで、技能の隣に( )で囲まれていた数字があなたの技能値であり、ダイ様がサイコロを振って技能値以下の数字が出たので成功判定となり情報を得ることが出来たというわけです」
「そういうことか。もし失敗した場合はどうなるんだ?」
「失敗した場合は成功時の情報が得られません。最悪なのは、ダイス目が96~100が出た場合です。この目を致命的失敗、
「ファンブル怖すぎるだろ!!でも出さなきゃ問題ないってことだろ?」
ダイスの世界で @WU9
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