第2話 先に言え!!

 しかし、怒っていても仕方がない。俺はbu子の案内に従って手続きを進める。


「マイナンバーカードを準備してね!」


(まぁ、当然だな)

 俺はマイナンバーカードを財布から取り出した。


「アプリから簡単に申し込めるよ! マイナポイントアプリをダウンロードしてね!」


(面倒だが仕方ないな)

 俺はアプリをダウンロードした。


「マイナンバーカード申請時に設定した4桁のパスワードを用意してね!」


(このパスワードが曲者なんだ。3回間違えると店に行けだの設定しなおせだのって罠が張ってあるやつだ! だが俺は4桁のパスワードはすべて統一してある。大丈夫だ)

 俺は意気揚々と「次へ」ボタンを押した。


「bu payアプリからマイナポイントアイコンを押してね!」


 bu子の指示は的確だ。できる子なだけに、フォルムと名前のミスマッチが残念でならない。


「申し込むボタンを押してね!」


 楽勝! と思ったその時、bu子が画面から消えた。


「あれ?」


「申し込む」ボタンは灰色になっていてタップがきかない。


 しばらくすると画面が切り替わった。

 無機質な機械音が告げる。


「申し訳ありませんがお使いのスマートフォンは、マイナポイントアプリ取り扱い対象外端末です。お手数ですがbuショップ店頭などで申し込みをお願いします」


「はぁ~〜?出来ないなら先に言えよっ!」


 一人暮らしの部屋でどれだけ怒り狂っても、状況は一つも改善しない。


 俺は諦めてbuショップに向かった。

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