怒りのマイナポイント
仁科佐和子
第1話 buからのお知らせ
「そろそろ、やらなきゃな」
「
それはマイナポイント登録の案内だった。
マイナンバーカードを定着させたい政府の思惑が見え隠れするばらまきシステムに見えなくもないが、貰えるもんは貰っておかないと損だ。
俺はDMを開くと手続き画面に飛んだ。
『マイナポイントお手続き方法』という画面にうさぎのキャラクターが現れた。
音声と画像でナビゲートしてくれるらしい。これはありがたい。
「来てくれてありがとう! マイナポイントの登録をお手伝いするよ!」
可愛らしい女の子の声で喋るうさぎの下に、テロップが出ている。
『bu子ちゃん』
……なぜだ。
社名を取って『bu子』にするなら、なぜキャラクターを豚にしなかったんだ!?
白うさぎの名前がbu子。違和感が拭えない。名は体を表すという言葉を知らないのか?
これは酷い。ただの二階建てボロアパートに『プレジデントパレス』なんて名前を付けるのと同じくらいの酷さだ。
「大統領の宮殿が家賃48000円な訳ないだろう?」と突っ込まれて、住んでる人間が恥ずかしい思いをするとか考えなかったのか?
全く適当なことを言いやがって!
俺はbu子をデザインした奴と俺のアパートの大家に、激しい怒りを覚えた。
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