第2話

超人気アイドルグループ五反田48の絶対的センター

諸見沢明日香は猛烈に悩んでいた。

時計は夜中の二時頃を指示していた。明日香は自分の部屋の中でひとり頭を抱えていた。

「どうしよう」

明日香の口から思わず弱音が漏れた。

明日香はメンバーから独立して撮影した

写真集(明日香ロイド)が不評で、返品の山が

出来たことに不安を抱いていて、どうにかしたいと

思っていたのだった。

「どうしたら」

また、不安が口を吐いて出る。

そのとき、玄関のチャイムが鳴った。

(誰かしら、こんな時間に)

明日香は注意しながらインターホンの受話器を取った。

「ハイ、どなたですか」

明日香が恐る恐る声を震わせた。

「こんな時間にまことに申し訳ありません。

明日香様に於かれましてはその心痛いかばかりかとお察し

申し上げます。尽きましては我が社(SOŁD OUT)に

お任せ願えれば多少のお力になれるかと存じますが

いかがいたしましょうか」

「ソールド アウト。売り切れ」

明日香はその蠱惑的な言葉を

譫言のように何度もつぶやいた。






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