第6話 上手くいかない事ばかり

「ただいま〜」

「あっ……おかえりなさいですねアインさん」


 帝国拠点のアイン専用のとある一室、ワタシが部屋を開けるとギブスをつけ松葉杖をつき全身包帯ぐるぐる巻にしたバカブレインこと小栗晴香が出迎えた


 その姿を見て思ったことは一つだけ


(やっちまったぁぁぁ!!!)


 当たり前のことを言うがこの世界はギャグ漫画の世界では無い、魔法少女物バトルロワイヤル系ダーク現代ファンタジーだ、つまり怪我をしてもすぐに治ったりとはなく骨折なら治るのに数ヶ月はかかる


 そして見た通り小栗は重症だ、魔法少女だからそんな完治に数ヶ月とかはないと思うが1ヶ月は使えないだろう……もちろんあの場にいた8人もな!


 何してんだよ私のバカぁぁぁ!!!


 これ主人公の強化どころじゃなんだが?あとうちのメンバー戦力で言ったらワタシと幹部一人しかいないんだけど!?あとモブ!


「どうしたんですか?そんな険しい顔をして」

「うっさいんダヨ、バカブレイン!」

「バカブレイン!?」


 ワタシの渾身の渾名に思わず目を見開く小栗


「アンタらが余計なことをしてくれたせいでワタシの計画がかなりパーになったんだケド?どうしてくれるワケ?このカス共が!」


 そして自分のミスを棚に上げ部下を罵倒することを忘れない


「そう言われましてもあの場面でアインさんを疑わないのは無理かと」

「なんでダヨ!?」


 むしろ疑う理由が分からないんだが!?リーダーが冷静に戦うぜ!って言っただけで全員が疑うってどんな組織だよ!?


「いやいやいやおかしくない!?アンタらワタシのことをバカにしてんの!?」

「ば、馬鹿にしているわけではありません……ただ、アインさんが冷静に戦うなんて天地ひっくり帰ってもないとは思ってます」

「それがバカにしてるって言ってんだダヨ!?」


 頭痛くなってきた……


 てかオルゴールが襲撃に来るのっていつだっけ?それまでには何とかしないと


 そんなことを考えていると部屋の扉が開かれ部下の魔法少女が入ってきた


「アインさん!」

「……何?」

「報告があります!」


 このタイミングでの部下からの報告……嫌な予感しかしないんだが……


「し、侵入者です!」


 その言葉に思わず天を仰ぐ


 遂にか……ついに始まってしまった……てかなんで今なんだよ


「……小栗」

「なんですか?」


 小栗のやつこんな時にプリンを食べてやがる……よく見るとアインの名前が書いてあるやつをな!!!


「アンタは前線の指揮に回れ」

「あの……大変申しにくいんですけど私怪我人なんですが……」

「だから?」

「あの……」

「だから?」

「はい、いってきます」


 拳銃を突きつけると小栗はしっかりとお願いを聞いて部屋を後にした、やはり暴力、暴力が全てを解決するヨネ


 さて……どうする?今の戦力的にオルゴールを相手にするのはかなり厳しいだろう、それに原作通りなら侵入者にはまだ赤里はいなかったはずだしワタシが出るのはまだ早すぎる……ちっ仕方ないがここはあいつを──藤宮を投入する!



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