1.3.10 彼女の妹と家庭教師

 今日、俺は結衣ちゃんの実家にいた。


 芽衣ちゃんの家庭教師の日で家庭教師の前に何かゲームをしようという話になった。


 それで『LOVE!?ハプニング!!スゴロク』というボードゲームをすることになった。


 ルールは人生ゲームとほぼ同じである。


 最終的にお金を最も多く獲得したプレイヤーが優勝者である。


 ちなみに優奈、シルヴィアも遊びに来ていた。


 まず、結衣ちゃんのお母さんの舞衣まいさんにご挨拶した。


「結衣さんとお付き合いさせていただいてる結城光真と申します。よろしくお願いします」


「あらあら、ご丁寧に。こちらこそよろしくお願いします」


 舞衣さんは物腰柔らかそうで優しそうな印象を受けた。


 結衣ちゃんによると親子というよりは友達という関係性らしい。


 その後、結衣ちゃんの部屋でボードゲームすることになった。


「コウ君、また子供出来ちゃった……。これで6人目、激しすぎるよ……。あ、2人とも出産祝いよろしくね」


「お兄ちゃんと優奈さんイチャイチャしすぎじゃないですか?」


「そうだよ、ちょっと距離近すぎるんじゃない?」


「部外者は黙っててくださーい。今は私とコウ君が結婚してるんだから!!」


「いや、あくまでゲーム内での話だからな。優奈ちょっと離れろ」


「えー」


 ボードゲーム内で俺と優奈は結婚していた。


 なんと6人も子供ができていた。


「お兄ちゃんはセフレである私ともイチャイチャすべきです」


 ボードゲーム内でもシルヴィアはセフレだった。


「いや、セフレなら身体だけの関係でイチャイチャしないでしょ。」


 それで結衣ちゃんはというと独身貴族というコースに入っていた。


 結婚せずにお金だけを淡々と貯めていくそんなコースである。


「結衣ちゃん、すごいお金貯まってるね。優勝出来るんじゃない?」


「あはは、嬉しいような嬉しくないような……」


 コンコン。ドアがノックされる。


「お茶とお菓子持ってきましたよ」


「舞衣さん、ありがとうございます」


「いえいえー、今はお客様だから遠慮はいらないですよ」


 それで俺たちは紅茶とショートケーキをいただいた。


 その後、芽衣ちゃんが帰ってきた。


 今日は月に1回の面談の日である。


 面談では進路や勉強の悩みを聞き、メンタルケアすることを目標にしている。


「質問なんだけど何か悩みとかある?」


「悩みですか……。胸が小さいことですかね」


「いやいやいや、勉強に関する悩みだったんだけど」


「本当に胸が小さいことがコンプレックスなんです」


 あまりにも胸のことばかり言うので芽衣ちゃんの胸をチラ見する。


「そんなに小さくはないと思うけど……サイズはいくつ?」


「上から82、55、92です。お尻は結構自信あるんですよ」


 そう言って俺にお尻を見せつけてくる。


 安産型の素晴らしいお尻だった。


「いやいや、スリーサイズは聞いてないから。」


「従姉妹の中学生の天衣あいと同じなんですよ!?」


「82だったら全然小さくないと思うよ。結衣ちゃんや舞衣さんのユニバース級見たら感覚狂うかもしれないけど」


「ありがとうございます」


 そこで沈黙が場を支配する。


「あの本題なんですが私、定期テストだといい点取れるのに模試だと成績がイマイチなんですよね。どうすればいいですか?」


「定期テストで点が取れるってことは基礎はできてるはずだから応用問題を解いていこう。あと1年の頃の内容だと忘れてるかもしれないから基礎の総復習を忘れずにね」


「分かりました。ありがとうございます、兄さん」


 兄さん呼びはくすぐったい、そう思った。



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