1.3.9 親友と家庭教師

 9月上旬。


 今日は翼との家庭教師の日である。


 まだ暑さの続く夏の日に河合家を訪問した。


 翼は今日も部活で遅れるとのことなので美優さんと2人きりだった。


「最近、暑いですよね」


「そうですね。私、最近夏バテ気味で……」


「それは大変ですね。……うなぎとか食べるのはどうですか?」


「土用の丑の日じゃないけど今日はうな重にしようかな? 先生も食べていかれませんか?」


「いいんですか?」


「先生にはいつも翼がお世話になっているのでその感謝として……」


「ありがとうございます」


 今日はシルヴィアに晩ご飯外で食べるからいらないってLINEしないとな。


 うな重は俺の大好物だからありがたくいただくことにした。


「ちょっと失礼しますね」


 そう言って美優さんが席を立つ。トイレだろうか。


 俺はそこで衝撃的なものを発見した。


 Tバックである。


 俺は思わず手にとってしまった。


 このTバックに美優さんの豊満な尻が包まれているのか……。


「……先生、そんな風に持つと恥ずかしいかなって」


「美優さん!? す、すみません」


「先生、下着じゃなくて本物を見ませんか?」


「本物?」


「実は今、Tバックを穿いてるんですよ。実際に見てみませんか?」


「……いいんですか?」


「先生には特別、特別ですよ」


 そう言って美優さんはスカートを脱ぎ捨てる。


 セクシーなTバックが丸見えだった。


「お尻見せますね」


 Tバックの尻の破壊力は想像以上だった。


 真っ白で柔らかそうな尻がありのままの姿(Tバックはほぼ紐であり、尻が丸見えだった。)で存在していた。


「先生、息がかかってますよ……」


「す、すみません、つい……」


 尻を見るのに夢中で尻に顔がくっつきそうになるくらい見つめていた。


「このことは翼には言いません。2人だけの秘密ですね」


 その後、翼が帰ってきた。


 今日は月に1回の面談の日である。


 面談では進路や勉強の悩みを聞き、メンタルケアすることを目標にしている。


「翼、何か悩みあるか?」


「悩みですか……。身長が高いことですかね」


「いやいやいや、勉強に関する悩みだったんだけど」


「昔は背が高いことで男子に嫌われてたんですよ」


「その男子見る目ないね。俺は高身長女子好きだよ」


 これは本当である。


 身長が近い方がキスしやすいと思うからである。


 あと、読んでいるマンガに高身長女子が出てきて親近感を覚えていた。


「先輩は高身長女子の救世主ですね……。まあ、この身長のおかげでバスケで活躍出来てるんですけどね。……でも私も低身長でかわいいって言われたい人生だった」


「いや、翼は今でも十分かわいいと思う」


「ありがとうございます。……本題に入っていいですか?」


「高身長は前菜だったのか……」


「12月にウィンターカップあるじゃないですか。もちろん出場を目指してるんですけどそうなると受験勉強を本格的に始めるの遅くなるじゃないですか。このままだと落ちるんじゃないかと心配なんです」


「厳しいこと言うけどW大学は2ヶ月で受かるほど簡単じゃないよ。スポーツ推薦とか考えてみたらどうだ?」


「ああ、たしかにウィンターカップで好成績を残せば推薦狙えますね」


「ただし、保険として一般入試の勉強もちょっとでいいから進めること。今からでも勉強の習慣をつけることだな」


「分かりました。頑張ります」


 上手く翼のやる気スイッチを押すことができたようだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る