俺と彼女の恋愛方程式

1.3.7 海②

　俺たちはその後、海に入った。

「冷たーい。気持ちいいね、コウくん！！」

「ああ、そうだな」

　ザッバーン。

「冷たっ！？」

　優奈が水をかけてきた。

「あはは、イタズラ成功！！」

「よくもやったな」

　ザッバーン。俺も優奈に水をかける。

「ひゃっ、冷たーい」

　ザッバーン。今度は優奈とは違う方向から水をかけられる。

「結衣ちゃん！？」

「あはは、私も水のかけあいっこしてみたかったんだあ」

　ザッバーン。

「結衣ちゃん、お返しだよ」

「あはは、冷たーい」

　ブシャアアア。

　水鉄砲を持ったシルヴィアが水をかけてきた。

「シルヴィア、水鉄砲は反則だろ。大体どこから持ってきたんだ」

「海の家で貸し出していたので借りました」

　その後、俺は海を眺めながらプリコネをしていた。

　今月のクラバトのためのトレモをするのだ。

「コウくん、何してるのー？」

　優奈に話しかけられる。

「プリコネ」

「海ですることじゃないでしょ……｡家に帰ってしろし」

「うるせー、編成調べるのに忙しいんだよ」

「私もプリコネしてるから分かるけど……」

「光真君、私もプリコネしようかな」

「結衣ちゃんもぜひぜひ。今ならジュエル3000個貰えるよ」

「リセマラで誰当てればいいとかある？」

「アメス一択かな」

「お兄ちゃん、私もプリコネしましょうかね」

「おー、シルヴィアもか。ぜひぜひやってみよう」

　今日は二人もプリコネを布教できて幸せだった。

「おすすめの編成とかありますか？」

「初心者はまず、ユイ、コッコロ、レイを星3に開花させよう。それでアタッカーとしてアキサレ、タンクとしてノゾミを使おう。この編成で大体のクエストはクリアできるから。ノゾミはダンジョンコインで手に入るから入手しやすいと思うし、アキサレはプリフェスで手に入れればいいから」

「分かりました。ありがとうございます」

　俺たちはその後、ババ抜きをした。

　2回してババだった二人が罰ゲームとしてポッキーゲームをすることになった。

　そしてババ抜きで負けたのは俺と結衣ちゃんだった。

　俺たちはポッキーを咥え少しずつ食べていく。

　ポリポリポリ。

「恋人ならポッキーゲーム余裕でしょ」

「おいおいおい、キスまでするんかー？」

「そこまでは求めてないよー」

　新見先輩と一ノ瀬先輩が煽ってくる。

　キスするその直前。俺はポッキーを折った。

「ごめん、みんな。ファーストキスは二人の思い出にしたいから今は無理だ」

「光真君……」

「お兄ちゃんが義妹の目の前でキスしなくて良かったです」

「私もコウくんとのキスなんて数えるくらいしかしてないしなー」

「え、ファーストキスっていうのは……？」

「結衣ちゃんとのファーストキスっていう意味だよ。ファーストキスは確かに優奈とだったけどそれ以上に最高のキスにするつもりだから許してくれないかな」

「うん。全然大丈夫だよ。優奈ちゃん元カノだからキスしてても当然だよね」

　結衣ちゃんが納得してくれて良かった。