1.3.6海①

 8月上旬。


 俺、結衣ちゃん、優奈、シルヴィア、綾人、新見先輩、一ノ瀬先輩の書道部の面々は沼津に来ていた。


 目的は海とラブライブサンシャインの聖地巡礼である。


 ちなみに書道部の面々は全員サブカルチャーに精通したオタクである。


 全員ラブライブサンシャインを視聴済みだった。


 なので書道部といっても実態はオタサーであり普段はアニメやマンガ、ラノベを見たり、ゲームしたりしてる。


 1週間に1度くらいは真面目に書道するが。


 俺たちは東京から沼津まで車で向かった。


 新見先輩が車の免許を持っていたので運転してもらった。


 車の中ではラブライブサンシャインの楽曲を流しておりテンション上げ上げだった。


 車で1時間半、俺たちは沼津に着いた。


 俺たちはまずアニメイトとゲーマーズに向かった。


「やっぱり聖地だけあってラブライブサンシャインめっちゃプッシュしてるねー」


「はい、そうですね」


 俺たちはそこでラブライブサンシャインのグッズをたくさん買った。


 その後、沼津駅に向かった。


 ラブライブサンシャインの作中で国木田花丸くにきだはなまるちゃんが食べていたのっぽパンというのを買った。


 お土産にすることにした。


 正午。


 俺たちは欧蘭陀館という喫茶店に向かった。


 ここは渡辺曜わたなべようちゃんの家のモデルとなった聖地である。


 入口にはたくさんの曜ちゃんのグッズが置いてありびっくりした。


 店の人に許可をとって写真を撮らせてもらった。


 俺たちはオムそばを頼んだ。


 ケチャップをつけることで曜ちゃんのヨキソバを再現できるのだ。


「このオムそばおいしい!!」


「具材がゴロゴロしてる……!」


 次は伊豆・三津シーパラダイスに向かった。


「恋になりたいAQUARIUM」の聖地である。


「クラゲ万華鏡水槽」というものを見た。


「ライトに照らされたクラゲ……。ロマンチックだね」


 最後に俺たちは海水浴場に向かった。


 前回の水着選びで選んだ水着、結衣ちゃんはフリルのついた水色のビキニ、優奈は黄色のビキニ、シルヴィアは白色のビキニを着ていた。


 ちなみに一ノ瀬先輩は黒のビキニ、新見先輩は紫のビキニを着ていた。


「その……なんだ、みんな似合ってるぞ」

 

 みんなの水着が眩しくて直視できなかった。


「あー、コウくん、照れてる!! かわいい」


「うるせー」


「お兄ちゃん、サンオイル塗ってくれませんか?」


「あー、シルヴィアちゃん、ずるい。私も私も塗って」


「……あー、私も塗ってくれると嬉しいかな」


 3人はジャンケンして俺に塗ってもらう順番を決めた。


 最初は優奈、次にシルヴィア、最後に結衣ちゃんだった。


 優奈がレジャーシートにうつ伏せになる。


「あ、トップスとるね」


「なんでだよ!?」


「だって日焼け跡つくでしょ。アニメでよくあるじゃん」


 そう言って本当にトップスをとってしまった。


 優奈の生乳があるのか……!?


 俺は優奈の背中にサンオイルを塗っていく。


 こんな経験は付き合っていた頃にもなかったのでドキドキした。


「ああ……。ひゃあ……」


 煩悩退散、煩悩退散。


 そう頭の中で念じて背中を塗っていく。


「うわっ!!」


 そのとき手を滑らせた。


 俺は何か柔らかいものを触っていることが分かった。


 ふにゅっ。優奈の横乳だった。


「ご、ごめん」


「……コウくんのエッチ」


 次はシルヴィアの番だった。


「それではお兄ちゃん、よろしくお願いしますね」


「ああ、分かった」


 シルヴィアも当然のようにトップスをとっていた。


「ああ……。はあん……」


 シルヴィアもアレな声を出しているのでドキドキしてしまう。


 いかんいかん、煩悩退散、煩悩退散。


「終わったぞ、シルヴィア」


「……まだ塗ってないところがありますよ」


「え?」


 そう言ってシルヴィアは無言で俺の手を横乳に移動させた。ふにゅっ。


「な、何してるんだ!? シルヴィア!?」


「今度はお尻もお願いしますね、お兄ちゃん」


「いやいや、しないから」


「なんでですか? ただの兄妹のスキンシップですよ」


「いやいやいや」


 何とかシルヴィアの誘惑を振り払って最後に結衣ちゃんにサンオイルを塗り始めた。


「はう……。くすぐったいよ、光真君」


「かわいい……かわいいよ、結衣ちゃん」


 そう耳元で囁く。


 水着選びで結衣ちゃんの弱点は耳だということが分かっている。


「ひゃああああ!? 耳、耳はダメだからー!!」


「あー、あー、私たちもいること忘れないでね」


「そうですよ。私たちの前でイチャイチャしないでください」


 こうしてサンオイルを塗った俺たちはついに海に入ることになる。

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