第9話 1.2.4 新入生歓迎会
シルヴィアと出会う1か月前。俺と夢川君、水原さん、優奈はアメフト部主催のビンゴ大会にやってきた。1等はなんとPS5という豪華さに釣られてやってきたのだ。ちなみに2等はSwitch、3等はAmazonギフト券1万円分である。
「では発表していきます。最初の数字は27です」
アメフト部の人が発表していく。27。あった。1つマスを空ける。次々と数字を発表していくアメフト部員。俺はついにリーチとなった。
「リーチです」
それで立ち上がる俺。一番最初にリーチとなった。それから5回ほど数字を発表していくがビンゴとはならなかった。
「リーチだ」
夢川君が立ち上がる。
「夢川君に負けるわけにはいかないな」
「こっちこそ、結城君には負けないよ」
そんなこんなでダブルリーチとなった。
「49です」
49……49! あった!
「ビンゴ! ビンゴです!」
ついに俺はPS5を手に入れたのである。夢川君はSwitch、水原さんと優奈はAmazonギフト券1500円分という結果だった。
その後、夢川君と水原さん、優奈は何やら用事があるようで先に帰ってしまった。俺は1人大学構内を歩く。新歓のチラシが何枚も道に落ちていた。
「ちょっとそこの君。かわいいね。一緒にお茶しない?」
「何しようと? お姉さんたちとお茶ばせんかいな?」
「ごめんね。この子福岡の出身だからときどきそっちの方言が出ちゃうの」
「全然気にしてないので大丈夫ですよ。……お茶ですか、いいですよ」
「本当!?履修登録の相談も乗るよ」
「本当ですか。ありがとうございます」
まさかの逆ナンである。一人目はショートカットにメガネをかけ理知的な印象を受け、もう一人は黒髪ロングで福岡の方言を話す優しそうな美少女だった。
こうして俺たち3人は大学構内のスタバに入ったのである。注文を済ませ席につく俺たち3人。
「自己紹介がまだだったね。私は
ショートカットにメガネの理知的な先輩が自己紹介を済ませる。
「私は一ノ
黒髪ロングで福岡の方言を話す優しそうな先輩が自己紹介を済ませる。
「俺は結城光真です。1年生です。よろしくお願いします」
「まず単位って分かるかな?」
「すいません。詳しくは分かりません」
「単位っていうのはポイントだと考えていいよ。このポイントを貯めることで進級や卒業ができるんだ。次なんだけど何学部志望か教えてくれるかな?」
「法学部です」
「法学部かー。同じだね。私も法学部志望なんだ。法学部志望なら鈴木先生の法学入門とるべきだよ。面白いから!」
こうして小一時間ほど履修登録の相談をした。
「ところで君、書道に興味ない?」
新見先輩が聞いてくる。
「書道ですか。書道なら小学生のとき習ってましたけど……」
「経験者か! それなら話が早い。君、書道部に入らない?」
「初音ちゃん、結城君が困っとるよ。……私たち書道部なんだけど人が来なくて困ってたんよ。今は初音ちゃんと二人だけだから廃部の危機に瀕してるんとよ。良かったら入ってくれないかな?」
一ノ瀬先輩がそう解説する。
「いいですよ」
誰かのためになるならと二つ返事で了承した。
「本当!? 嬉しい!!」
「これからよろしくね、結城君」
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