1.2.3 義妹兼セフレ

 美少女シルヴィアによるセフレ宣言から1日後。


 俺たちはとりあえずLINE交換を済ませた。


 LINE交換しないと離してくれそうになかったからである。


 親父にファミレスに誘われた。


 腹が減ってたので二つ返事で了承した。


 何やら会ってほしい人がいるらしい。


「あっいたいた。オリヴィエさーん」


 何とそこにいたのはセフレ宣言したシルヴィアとオリヴィエさん(30代くらいの綺麗な女性だった。)だった。


「……」


 絶句した。


「今度、お前の母になるオリヴィエさんだ。父さんちょっと再婚することになった」


 ええーっ!! 再婚!? 聞いてないんですけど。


「今度妹になるシルヴィアちゃんだ。お互い初めましてだろ。オリヴィエさんはオランダ人、シルヴィアちゃんは日本人とオランダ人のハーフらしいぞ。……お前妹が欲しい、妹が欲しいってぶつぶつつぶやいてたじゃないか。良かったな、美少女の妹ができて」


 ええ……?


 確かに妹が欲しいとはつぶやいてたけど。


 それがセフレ宣言したシルヴィアだとは。


 予想外すぎる。


「よろしくね。お兄ちゃん」


 ぐはっお兄ちゃん。


 妹にお兄ちゃんと呼ばれるのがこんなにダメージが大きいとは。


「これから俺とオリヴィエさんは新婚旅行に世界一周してくるから。また、子供増えちゃうかもな。ハッハッハッ」


「二人仲良く暮らしてね」


 親父、そういう話は子供の前でするんじゃねえ。


 っていうかシルヴィアと二人暮らしか。俺の貞操が危ない。リアルに。


 こうして俺にはシルヴィアという義妹ができたのである。


 後日、俺はシルヴィアの引越しを手伝っていた。


 あの後、親父とオリヴィエさんは本当に新婚旅行に行ってしまった。


 こうしてシルヴィアとの二人暮らしが決定したのである。


 ピンポーン。


 その時、チャイムが鳴った。


 ピンポン!ピンポン!ピンポーン!


 この音は聞き覚えがある。玄関に出て対応する。


「やっぱり優奈か。何の用だ」


「あなたのかわいい彼女優奈ちゃんだぞ! 京都旅行に行ってきたからお土産持ってきたよ」


「ああ、ありがとう」


「っていうかこの女物の靴誰?」


「ああ、シルヴィアだ。俺の義妹だ」


「義妹!?」


 それで俺は優奈に全て話した。


 優奈に隠してもいずれバレるだろうしな。


 最近のストーカーがシルヴィアだったこと。


 シルヴィアが俺のことを一目惚れして告白を断ったらセフレ宣言したこと。


 先日、親父の再婚でできた義妹がシルヴィアだったこと。


「義妹……!? セフレ……!? それでやったの?」


「やってねーよ」


「良かった。コウくんがチキンで良かった」


 チキンで悪かったな、チキンで!


「じゃあ私も一緒に住む!」


「ええ……? なんでそうなる!?」


「このままだったらコウくんの貞操が危ないから。私が監視してあげる」


 優奈はこの後、本当に親父と優奈の家族に許可をとって一緒に住むことになったのである。


「話は全て聞かせてもらいました」


 そこに立っていたのはシルヴィアだった。


「2番目の彼女の優奈さんですね。2番目の。お兄ちゃんから話は聞いてます」


「ぐっ2番目強調すんなし」


「でも事実ですよね。これからはお互いお兄ちゃんの一番を目指すライバルということですね」


「ライバル……! いい響きね。」


 ウマがあったのか二人は俺を置いてすっかり意気投合してしまった。


 美少女二人と同居することになるとは。


 ……どうなる、俺の大学生活!?


 俺には初恋の彼女水原さんが、水原さんがいるのに……。


 こうして奇妙な3人同居生活が始まったのである。

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