第5話 1.1.4 制服デート

 翌日。合格祝いとして俺と水原さんはデートをすることになったのである。ただのデートではない。制服デートである。もう卒業式は終わっちゃったけど3月31日までは高校生だからセーフだよな。俺が着ているのはよくある学ランである。


 このデートのために苦労したことがある。それは優奈を説得することだった。


 昨日、水原さんとデートすることになったのだが……。


「バカ! バカ! バカー!! 何で私という彼女がいるのに他の女のところにいくの!?」


「いや、優奈2番目の彼女でいいって言ったじゃん。今は1番目の彼女との時間を大切にしたいんだ」


「ぐぬぬ。じゃあ約束して」


「約束?」


「私とデートして」


「……ああ、いいよ」


 その後、俺はLINEの返信ができないことの了承もとった。


「おはよう、結城くん」


 水原さんが来た。水原さんの制服はブレザーでネクタイがついていた。ミニスカートで太ももの絶対領域が眩しかった。制服姿の水原さんは垢抜けしていてとても美少女でかわいかった。本当にこの美少女が俺の彼女だなんて今でも信じられない。


「あっ、その制服って桜台?」


「よく分かったね」


「制服かわいいって有名だよね」


「そうだね」


 今回のデートはリベンジである。なぜなら前回、優奈が邪魔したからである。映画館デートのリベンジである。今回鑑賞する作品は五等分の花嫁である。


 その後、俺たちは映画を見た。そして広場にあるクレープ屋でクレープを買った。


「面白かったねー。結城くんは誰推し?」


「一花かな。水原さんは?」


「五月ちゃんかな」


「あー、五月ちゃんかわいいよね」


「このクレープ1口食べる?」


「本当? ありがとう。いただきます」


 なんと食べさせあいっこである。


 夢にまで見たシチュエーションの一つである。


「水原さんもひ、1口食べる?」


 顔は赤いし、手は震えてるがちゃんと言えた。


「ありがとう。いただきます。……このチョコバナナおいしい」


「水原さん好きだ」


「私も好きだよ。……いきなりどうしたの?」


「無性に愛を伝えたくなってつい」


「ふふ、いつでもウェルカムだよ」


 とても幸せでもうこのまま天国に昇天してしまいそうだ。

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