第4話 1.1.3 合格発表
優奈の「2番目の彼女でいい」宣言から2週間。それからというもの半年会えないのはやはり寂しかったのだろうかタカが外れたようにLINEしてきた。LINEを返さなかったら電話がかかってくるのである。通話料が痛いので即レスせざるを得ない。
また、寝る前の1時間LINE通話というものが義務化された。これのどこが2番目の彼女でいいのだろうか。もう一番じゃないか。待遇が。おかげで水原さんとはあまり連絡がとれていない有様だった。
気を取り直して今日。今日は合格発表だ。ちなみに優奈も同じW大学を受験している。これでもし受かったら幼小中高大と同じ学校ということになる。
この日のために様々なものを我慢して勉強してきた。冬アニメは見てないし、ソシャゲも半隠居状態、彼女とも別れた。この努力が実を結ぶことを願う。
12時。合格発表の時間だ。スマホで合格発表を確認する。やばい緊張してきた。心臓飛び出そう。
俺の受験番号は1874である。
1870、1871、1873、1874。1874!
「あった。受かった!!よっしゃー」
水原さんにLINE通話する。
「こんにちは水原さん」
「こんにちは結城くん」
「合格発表どうだった?」
「受かってたよ」
「本当? 俺も受かってた」
「おめでとう。大学でもよろしくね」
「うん。よろしく」
ピンポーン。
「誰か来たみたい。宅配かな」
「じゃあ通話切ろうか。じゃあね」
「またね。バイバイ」
ピンポン、ピンポン、ピンポーン。
この音には聞き覚えがある。インターホンを確認するとそこにはやっぱり優奈がいた。玄関を開けて対応する。
パンパンパーン。
優奈がクラッカーを鳴らす。
「あなたのかわいい彼女、優奈ちゃんだよ! 合格おめでとう。コウくん」
「優奈はどうだった?」
「もちろん合格してたよ」
「マジか。幼小中高大一緒とか腐れ縁ってレベルじゃねーぞ」
「運命だよね」
「これで2外や英語、ゼミのクラスまで一緒だったらどうするんだよ」
「そうなったらいよいよ2番目から1番目に昇格かな」
誰もとらない不人気な2外をとろう。そう決めた。
その後、優奈は帰っていった。帰ったといっても家隣りなんだけどな。俺たちは家族ぐるみで仲がいいのだ。だから俺が優奈と別れたといったときは親父とても悲しんだっけ。
その後、親父が帰ってきて合格祝いということで回らない寿司屋に行った。サーモンがうまかった。
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