【066】足音で紡がれる物語


生き物の足音と聞いて、皆さまはどのような効果音をイメージするでしょうか。

馬ならパカッパカッ、猫ならトトトッといった辺りを想像されるかもしれません。


本作は、さまざまな動物の足音で情景描写がなされる物語です。ジャンルで言えば詩、ないし童話になるのでしょう。

この作品を読むと、日本語のオノマトペの多様さに驚かされます。例えば同じ人間でも、ゆっくり歩いているときと急いでいるとき、スキップしているときでは足音が異なりますよね。人間含む動物の感情を、そうした多様な足音だけで表現する手法はお見事です。


小説では、あまり効果音を多用しない方がよいという意見もありますが、その言説に真っ向から対立する意欲作を、是非読んでみてください。

日本語表現の多様さに唸らされること間違いなしです。

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