第1回 #架空レビューコンテスト

【003】デスゲーム化したVRゲームから人々を救う！ ……サポートセンターが。

世界初のフルダイブ型VRMMOとしてリリースされた最新オンラインゲーム。しかしチーフ開発者の企みにより、数万人がログインしたサーバーはデスゲームの舞台と化した。ゲーム内の死は肉体の死、クリアするまで脱出不能――

そんなどこかで聞いたような状況から人々を救うため、主人公が立ち上がります。

主人公は、ゲーム運営会社のユーザーサポート係。

本文は、サポートセンターの電話受付記録から始まります。

殺到する抗議への謝罪、プレイヤー家族への応対……尋常でない量の電話対応に、サポートの精神が疲弊していく様は異様に生々しい。

やがて１章末で怒りを爆発させた主人公は、根本原因を除くべく、サポートチーム同僚・開発室サブメンバーと共に未曽有の困難に立ち向かいます。

サポートチケットや障害対応記録の形式で綴られる２章以降は、通常の小説形式でないがゆえにリアルで、ＩＴ系従事者にとっては特に身につまされると思います。

本文形式が特殊なので、初見はとっつきにくいかもしれません。が、ベースは会話や報告文なので、慣れれば大変読みやすい。

一風変わったＶＲＭＭＯ物をお求めの方、あるいは普通に「お仕事もの」が好きな方などに広くお勧めです。