僕と、彼らと。

華鳥

第1談

……やあ。聞こえているかな…?


ようこそ、初めまして。僕の名前は「ナイン」。今日からここで、不定期に僕の体験を話していこうと思ってる。つまらない話だったり、興味のない話かもしれない。見続けるかは君に任せるよ、なにせ君の大切な時間を割いてもらっているわけだからね。


短いけど、前置きはこのくらいでいいかな…?君がここに来てくれた理由は、僕のこれから話すことを聞きたい、そう思ってくれたから…その解釈であっていると思うんだが。……おや、知らないだって…?ふ~ん、不思議な話だね……ううん、おかしな話さ。ここに辿り着くには、僕の設定したパスコードを打ち込まなければ見れないはずだから。余り気にしていなかったが、どうやら見てくれている人の数がはっきりしないね。ノイズがかかっている、そういえばいいんだろうか。まあいいよ、ならそこから話そうか。


『僕は、心友を二人殺している』


……はは、余り驚かないでくれよ…?もちろん、この手に凶器を握ってやったわけじゃない。物理的に出なく、精神的に殺したんだよ。さらに言えば、それは間接的にね。ねらってやるわけ無いだろう、心友何だから…そう、【心の友】と書いて心友だよ。……その反応、君が思い描いた字は【親しい友】と書く方の親友かな…?もちろん、普段使いするならそれが正解だよ、間違っちゃいない。でも、これから話すのは間違いなく僕の『心友』さ。あんまり気にしなくていい、は関係ないからね。


そうだ、折角だからそこも話しておこうか。ごめんよ、計画を立てるのは苦手でね。思いついたことをペラペラ喋るタイプなんだ、許してくれ。君はさっき、『親友』…そう言ってくれたね。君の中の定義でいい、親友とはなんだろうか。……そうかい、わかったよ。まあ、これは僕の周りに聞いた話なんだが。長らく友として過ごしてきた相手に向けて使うことが多いらしい。親しい、その漢字を冠する2字熟語なのだからこの意味だそうだ。まあ、納得だね。でも、僕は少し違うと思っているんだよ。例え話をしようか。君は、幼い頃…それこそ、幼稚園の頃から過ごしてきた友人が居るとしよう。幼稚園、小学校、中学校。長らく友として暮らしてきたその人を、君は親友と呼ぶのかい…いいや、例えが悪いね、これは。まあなんでもいい、きっとこれに対して君は『幼なじみ』と答えるだろう。それじゃあ、また別の例えだ。今度は高校生からの友達としよう。その人とは腐れ縁のような仲でもなく、かと言って疎遠しているわけでもない。結局、社会人になってまで彼との交友は続くわけだ。でも、する話は何ともそっけない。お互いの現状を聞くわけでもなく、挨拶をしてほんの少しだけ会話する程度。また会おう、なんて思うこともない。でも、それは友とも呼べそうな関係だ。さて、ここで問おう。そんな相手のことを、君は親友…そう呼ぶだろうか。長らくの付き合いの相手…それだけで親友と呼ぶことは不可能なんじゃあないかな…?

ややこしい話だね、例えが2つとも分かりづらいのは許してくれよ。まあ何が言いたいかというと、僕の周りの人間が言う『親友』というくくりは、なんとも曖昧ではっきりしないんだ。腑に落ちない、これがピッタリの表現なのかな。僕の思う親友、というカテゴリーは、【素の自分を曝け出すことができる相手】なんだよ。もちろん、すべてを明かす必要はない。自分の本心を打ち明けることが出来る、簡単そうに思えてこれはとても難しいことだよ。相手からどう思われるのか、それを思考にいれないなんてなかなか出来ることじゃあないだろう…?まあ、これが出来る相手が【親友】だと僕は考えているわけさ。


……おや、もうこんな時間かい。すまない、今日のところはこのくらいで終わるとするよ。本題にすら触れられずにいてごめんよ。なにせ、スキマ時間というものが僕にはなかなかないものだ。不定期に発信していくつもりさ、もしまた見たい…と言っても、何を話すのかは次回から開始地点になるのだけれど。もしまた見たい、そう感じてくれたのなら気長に待ってくれると嬉しいよ。それじゃ、またね。

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