第50話 共闘 ⑥

「……………………………………なんで?」


『こちら、真成君の『義妹』さんの渡会歩夢さんよ。』


友香の対面に、真成君の『義妹』さん?

なんで?どうして!


「あ〜、何故か、仲良くなってしまったのよね?と言う訳で、三人で少し話し合いたいのよね。」


「………………………………詳しく聞きましょうか。」


「じゃ、改めて自己紹介ね!」


「あ、はい、はじめまして。真成君の『許嫁』で、義妹の渡会歩夢です。」


「桜井京佳よ、よろしくね?」


「京佳?もう少し言う事有るでしょ!」


「………………………真成君と同棲ルームシェアさせてもらってます。」


「もうっ、歩夢、この子人見知りじゃないんだけどいつもこんな感じで。」


「いいえ、私を警戒するのは当然かと。」


「まあ、いいわよ。さっきと同じ話になるけど続けるわね。」


友香?いつの間に、ホントに仲良くなってるわね。


「あ、はい、今日こちらに来たのは真成君と相談したかったからです。でも、もうその必要が無くなったみたいだから迷ってます。」


「チョット待って!友香、彼女にどこまで話してあるのかな?」


「私の事は全部だわね。あなたの事は、真成君と同棲してる事までよ。」


「………………………………わかったわ。歩夢さん、何を迷ってるんですか?」


「真成君と『別れ話』になると思って、最後の思い出作りに来たんですけど。」


「『思い出』って?」


「思い出は、『思い出』です。」


「と、言う訳で、私としては協力してあげようかと思ってるんだけど?」


「…………………………………協力って?」


「前にあなたに話した通り、私は卒業までは真成を独り占めする気はないから協力してあげようかと。」


………………………………………つまり、彼女は真成君と『女としての』思い出が欲しいと。


私でさえ、未だ達成してないのに!

友香はともかくとして、義妹にまで先を越されるのに協力するなんて。


「歩夢さんとお呼びしていいかしら?」


「はい、呼び捨てでも?」


「では、歩夢、思い出が欲しいと思うって事は何か理由があるんでしょう?」


「はい、実は私、真成君の親友の優樹君からプロポーズされてまして。」


「「…………………………………はぁ?」」


この件は友香も聞いてなかったみたいで、声が揃ってしまった。


何よ、それっ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る