第48話 大学デビューって?

「あなた、もしかして、渡会歩夢さんかしら?」


誰かに見られているような気配は感じられてたけど、何となくだったので気にしないようにしていた。


銀髪ド派手なギャルから声を掛けられて、あ〜、この人だったのかと逆に安心した。

ストーカーになりそうな男だったらどうしようかと思ってたから。


「………………………………そうですけど、貴方は?」


正直に答えるかどうか迷ったけど、嘘をついて来年ここに通うことになったら困るなと思ったから、素直に答えてみた。


「そんなに警戒しないでくれるかな?真成君からあなたの事は聞いているから。」


あ〜、彼の関係者なのね。

優希君から、真成君が女の子とルームシェア始めたと聞いてたから、この人がそうなのかしら。

この人は、真成君の好みとは正反対だから、まさかね。

私のことを聞いてるってことは、それなりに真成君と親しいはずだけど。


「………………………………真成君とは、どういう関係ですか?」


「そんなに嫌な顔しないでほしいな。まあ、ぶっちゃけると、真成君とお付き合いさせてもらってます。」


「…………………………………………嘘!」


………………………………………嘘でしょ!

あり得ない。このひと、彼が一番嫌いなタイプよね。


「嘘じゃ無いわよ。今日真成君と会うんでしょ?聞いてごらんなさいよ。」


…………………………………そこまで、知ってるのね。

ホントだとしたら、彼に何があったのかしら。


「………………………………あなたが、真成君と同棲ルームシェアしてる方かしら?」


なぜか動揺し始める、真成君とお付き合いしていると自称してきた彼女。


「………………………………そこまで知ってるのね。残念ながら、真成君と同棲ルームシェアしてるのは私じゃ無いの。」


…………………………………信じらんない!

もしホントなら、真成君は、この人の他にも女の人と関係が有るって事よね?

しばらく会えない内に、何が有ったのよっ!


私以外に、女っ気なんか無かったのにっ!

絶対に、真成君は童貞だったはずなのにっ!

私が、あの事件で容姿が変わってしまった真成君を受け入れられなくて拒んだからなの?


これが、大学デビューってヤツなのかしら。

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