第47話 義妹襲来

「ここが義兄さんが通う大学か…………」


早朝の新幹線で上京し、いくつかのローカル線を乗り継いで辿り着いたキャンパス。

誰にも咎められたりせずに普通に散歩感覚で歩き回れたし、学食というよりはお洒落なカフェと呼びたくなるテーブルでカフェオレを啜りながら学生たちを眺めた。

学食脇の売店では、お洒落な雑貨や大学オリジナルグッズが並んでいて見ているだけで学生気分が味わえそう。


いくつかお土産代わりに買い込んで束の間の学生気分を味わい終えて、間違って義兄さんに会わないうちに引き上げようと立ち上がった所で、銀髪なギャルっぽい学生に声を掛けられた。


「あなた、もしかして、渡会歩夢さんかしら?」



※※※※※※※※※※



見つけたわ!

まさか、ホントにキャンパスに来るなんて。

今夜お泊りで真成君の義妹さんが来るのは聞いていたけど、京佳が予想したのは朝からキャンパスに入りこんで学生気分を味わってから真成君に会いに行くことだった。


最寄り駅からの通学路。駅を降りた私は、明らかに不自然な一人の少女を見つけた。

学生ではあり得ない雰囲気と、お上りさん丸出しのフラフラとした歩き方。

彼女がトラブルに巻き込まれないようにと後をつけることにして、少し離れて歩き始めた。

正門をくぐり抜け、キャンパス内を散歩でもするように歩き回り、学食でカフェオレを啜りながら周りを眺め、売店では小物を手に取りいくつか買い込んでいるのを見守った。


急に雰囲気が変わって、立ち去ろうとしているのが明らかだったから思い切って声をかけることにした。

もし、ハズレでも、人違いだったと誤魔化そうと思って。

なんか、変な自信はあったけどね。


「あなた、もしかして、渡会歩夢さんかしら?」


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