第43話 共闘 ①
「少しよろしいかしら?」
3限が終わった選択科目の講義室の片隅で、どうやってコンタクトを取ろうかと思案していると講師が退出した前方入口から入ってきて私の前までスタスタと歩いて来た彼女に突然声を掛けられた。
「…………………………ええ、私も貴女とお話ししたい事が丁度有りまして。」
藤原友香。今日中に話したかった彼女から、何故か声を掛けられて手間が省けたことに心底安堵した。
早急に対策を考えないと、手遅れになるかもしれないから。
学内では有名人な彼女。地味な私とは絶対に釣り合わない組み合わせだろう。普通に此方から声を掛けるのも難しかっただろうから。
「はぁ?」
意外な返事だったのだろう。気の抜けた声を上げた彼女に、単刀直入に聞いてみた。
「真成君の
「っ!……………詳しく聞かせて!」
「ええ、場所を変えましょうか。何処にしますか?」
「…………………………着いてきて!」
私の返事も聞かずに講義室の出口へと向かう彼女の後を、少し遅れて距離を置きながら着いていく。
学食にでも行くのかと思っていると、校舎を出るどころか校門も通り過ぎて駅へと向かい始めた。
暫し歩き駅まで着くと、改札へ向かうのかと思っていると駅前のタクシープールで立ち止まり、振り返って手招きされた。
何処へ連れて行かれるのかわからないけど、彼女のペースには巻き込まれたくないなと思いつつ溜息を付きながら一緒にタクシーに乗り込んだ。
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