第35話 ジタバタジタバタ

事が終わって、暫く放心状態だった真成。

ふと、我に返ったように気が付くと、私の枕に顔を埋めてジタバタしだした。


「う〜っんっ…………、」


「うっふっふ〜、真成〜、どうしたのかな〜?

私の枕がどうかしたのかな〜?」


「ウ〜……、友香の嘘つき!」


「嘘は言ってないよ〜、ホントのことも言ってないけどね〜?何も言わなかっただけだからね!」


「でも……、ウ〜ん?」


枕から、顔を上げて考え込む真成。


「練習になったでしょう?」


「……………なったけど〜、」


「気持ち良かったでしょう?」


「……………良かったけど〜、ウ〜ッン!」


再び枕に顔を埋めてジタバタ。


「私が枕抱えるならわかるんだけどな〜?」


「だって、友香、初めてだったから?」


「そうだよ〜?真成の初めて、も〜らいっ!うふふっ?」


「………なんで、経験豊富な振りしたの!」


「だって、そうでもしないと貴方、私に振り向いてくれなかったでしょう?うふっ!」


「でも!赤ちゃん出来たらどうするの!」


「うん!勿論産むわよ?えへへぇっ?」


そう、実は、失敗したのだ。避妊に。

…………………………………わざと!

『最初は避妊具使わないほうが上手くいくよ?』と唆して。


惜しむらくは、今日は、安全日!

まあ、確率は低いだろうな。

それでも、少しは期待してしまう。


「折角だから、もう一回しよっか?一度避妊に失敗したら、何回しても一緒だよね?」


「…………………………………………」




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




「真成?聞きたいことがいくつかあるんだけど?」


結局、3回もしてしまった後、シャワーを終えて着替えた真成に尋ねる。


「いいよ、何かな?」


「ん、先ず、その傷はどうしたのかな?」


「う〜ん、昔、事件に巻き込まれて死にかけた時にね?今話さないと駄目かな?」


真成とは短い付き合いだけど、今、話したくないことだけはわかった。

かなり酷い傷跡だし、死にかけたと言うぐらいだからなんだろうから。

強く聞けば教えてくれそうだけどね。


「ん、話せる時が来たら教えて?あと、もう一つ聞くけど、恋人さんとはこれから会うのかな?」


「会うと言うより、一緒に住んでる。」


「はっ?………………はぁ〜っ???」


どういう事?いつの間に!?

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