第36話 巻き返し

「ど、どどどっ?…………どうして!」


「ん、ルームシェア相手を募集したら、来たんだ。」


「だ、だだだっ、…………だから何でぇっ!」


「最初は、男の娘だと思ってたんだけど、女の子だったんだ。」


「な、なななっ、…………なんでそうなるのよぉ〜っ!」


「ん〜、勘違い?からかな?」


「……………何で勘違いから、いきなり恋人にまでなるのよっ!」


「元々、どストライクだったからね?男の娘でも良いかなと思ったくらいに。」


「………………真成?貴方、やっぱりおかしいわよね、色んな意味で?」


「ん、自覚してるよ?おかしいのは。」


「………………具体的には?」


「話すと長くなるんだけど?」


「聞きたいわ!」


「ん、わかった。帰り遅くなると連絡入れるから、ちょっと待ってて。」


真成は、スマホを開いてメッセージを打ち始めた。

一体、どういうことなのかな?

余りにも、おかしすぎるでしょう!


「オッケー、いいかな?」


「………………お茶淹れるから、ちょっと待ってて。」


キッチンに入り、思案する。

もう一押しすれば、私にも、真成のセフレ以上のワンチャンあるのかな?

どうやって巻き返そうか?

ルームシェア相手の恋人さんとは、今の話だと、まだ2日位の付き合いだよね?

しかも、初体験失敗しているようだしね。


よし、今日はこのまま帰さないぞ!

お泊りに自然に誘うには、どうすれば良いのかな?

身体を武器にする手は、もう使っちゃったからね。

よぉし、まず、晩御飯作ってあげよう。




※※※※※※※※※※※※※※※




4限の履修登録が終わって、さあ帰ろうと立ち上がった時にスマホの通知に気が付いた。


『帰り遅くなりそうです。晩御飯は先に済ませて下さい。

貴方の真成より。』


何があったのだろうか?

この、わざとらしく、怪しい通知は。

明らかに、彼らしくない。

短い付き合いだが、それくらいはわかる。


どんなやましい事があるのかな?

帰ってきたら、問い詰めないとね。

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