第27話 恥ずかしくっ、ありませんっ!

「………………………はぃぃっつ?!」


「…………………………………………」


「真成さん?いえ、真成君!この手を、一度、離していただけますか?」


抱きしめられたこの手を、離された私は、立ち上がり3歩前に進み、回れ右しました。

軽く足を開き、腰に両手を当て、胸を張り、ソファで唖然とする真成君を見下ろしながら、仁王立ち。


「確認したい事ができました。答えて頂きます!」


「…………僕も、聞きたいこと………」


「私が!先です!後にして貰います!

真成君?あっ、以後、真成君と呼ばせて頂きます。

もしかして、私のこと、男だと、いえ、男のだと思っていましたか?」


「…………………はぃ…………………」


「最初からですか?どうして、そう思ったのですか?」


「……………最初から、ですぅ……………ルームシェア相手募集の掲示に、『当方男』と書きましたので、まさか、女の子が来るとは思いつきもしませんでしたぁ……………」


「私が応募して面談に現れて、どう思いましたか?」


「京佳さんが、女の子だったら、『どストライク』なのにな、と、思いました…………」


「………………………………………」


「………………………………………」


「つまり、『引っ越し』から、先程の『告白』まで、全部、貴方の、真成君の、『天然』だったと!」


「…………ふゎはぃぃい…………そのとおりですうぅ…………」


「…………真成君?貴方はっ、鈍感なんですか?天然なんですか?ニブチンなんですか?童貞なんですかあぁぁあっつ!」


「うぅっ………全部、言われた事が有りますぅ………

童貞なのは、本当ですぅう……………」


「………そうですか………ふふっ………童貞なんですか………………そうなんですね?」


「はぃぃ………………………………」


「心配要りません、私も初めてですから。」


「………………………………………」


「はいっ、確認を終ります。質問を許可します。

真成君、聞きたい事は何ですか?」


「……………京佳さん?その格好、恥ずかしくないんですか?」


「相手が真成君なら、真成君だからっ!だからこそっ!恥ずかしくっ、ありませんっ!

だっ、かっ、らぁっ、貴方はっ、『天然!』って言われるのよ〜っつ!あ〜っ、もぅっ!!」

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