第23話 ルームシェアのルール

渡会さんと、美味しいお茶をいただきながら、ルールを確認していく。


朝食は出来るだけ一緒に作る事。

夕食は、作れる方が作り、一緒に出来るときは一緒に。二人とも作れないときはテイクアウトや個別に外食等も可。勿論一緒でも!

夕食までに帰れない時や食べない時は連絡!

私の部屋代と食費は、奨学金が給付されるまで当面掛らない事。

食費・雑費は共有の財布を私が預かる事。

私の負担が少ない代わりに、共有部分のお掃除は私がメインでやる事。


同性は問わず、友人は部屋には招かない事。

同性の友人でも招く時は、1階フロント前のロビーを使用する事。異性を呼ぶのは原則無しで。

家族が来る時はゲストルームを予約確保するか、宿を確保してお泊りしてもらう事。


掃除に関しては、私から申し出た。

この条件では、余りにも申し訳無く感じてしまうから。


買い物は、土日どちらかで一緒にする事。平日の買い物は、買うものが被らないようにラインで通知してから買う事。


ここまで書き出して、ノートパソコンに打ち込んだところで………………


あれ?これって、『ルームシェアのルール』では無いような?

まるで…………………


そして、最後に決まったのは…………


「これからは、お互いに名前呼びね!『渡会さん』は無しね!僕は、『京佳けいか』って呼ぶからね!」


ここで顔を赤くしたり戸惑ったりしたら、また、からかわれる事がわかってきていたので平静を装います。

それでも、内心はドキドキワクワクが止まりません!


「…………私は、なんて呼べば?真成君で良いですか?」


「呼び捨て希望!『真成!』で!」


「!……………わかりました…………頑張って呼び捨てにします。」


「ははっ〜、最初は無理しなくて良いからね?」


そう、これは、ルームシェアのルールではなくて、まるで、同棲生活を始める時のルール作りみたいですね?


「うん、そうだね!」


「うぇッ、ぁわったしぁぃ?………私っ、今っ、声に出してましたかっ?」


「うん!聞こえた!『同棲生活を始める時のルール』だね?」


…………………落ち着く為に、少しぬるくなったお茶を一気に飲み干します。

すかさず、お茶を注いでくれる

どちらがなのか、良くわからなくなりそうです。


熱いお茶をすすって落ち着いた後、


「後は、問題が出たらその都度話し合うということにして、そろそろ夕食の準備しようか?」


「はい!改めてよろしくお願いします。」


台所に移動したら、差し出された淡いグリーンの………………エプロン?


「はい、これ京佳のエプロンね!お揃いだからね。」


早速、着てみましたが、パーカーの上からでは不自然でしたかね?

今から脱ぐのは、もっと不自然かな?


「お揃い……………嬉しいしけど……………?逆じゃぁないですか?」


「いいのいいの、僕はピンクが好きなの!京佳はこっちのほうが似合うからね?」


本当に、いろんな意味で、良いのかな?


ともかく、これで、これから、同棲生活ルームシェアがスタートする?のかなぁ?

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