第19話 お揃いの

「じゃ、朝御飯にしようか?」


二人仲良く?向かい合ってテーブルに着いて、


「「いただきま〜す!」」


「あっ、カフェオレが美味しい!」


「でしょう?自信あるんだ。」


何が違うんでしょうか?

こそういえば、さっき、ミルクをコーヒーと別々に温めてましたね?

コツが有るんですね!

ホントに、ホントに幸せいっぱいな新婚家庭みたいです。

会話のある食事が、こんなにも楽しいなんて!

彼と一緒に居ると、新しい発見がたくさんありますね?


でも、昨夜眠りに落ちる前に『明日はもっと頑張ろう』と決心したはずなのに、昨日の恥ずかしい格好を思い出してしまいそうで、体のラインが隠れるように朝からパーカーを着込んでしまいました。

やっぱり、不自然でしたでしょうか?

彼がおはようの挨拶で、チョット言葉に詰まりましたから。

彼は、こんなにも、

、彼も少しは期待していたのでしょうか?

今からパーカー脱いだりスカートに履き替えたりしたらしたら、不自然ですよね?

駄目な私ですね。


少しだけ、残念です。

だって、昨夜は、私が、彼に、女として求められていなかったのが、ハッキリと、わかって、しまったから。

でも、彼が同居初日からいきなり求めてくるような人ではないことはわかっていた筈。

これだけ距離感が近いのですから、今晩からは期待して良いのかな?


今日は、彼に求められるようになる為に、もっと、頑張ろう。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



一緒に玄関から出たものの、僕はレンタカーを返さないといけないので違う出口から出た方が早いのです。


「別々に出掛けても大丈夫かな?」


「あのぅっ、出来ればっ、一緒がっ、良いですぅっ?」


「うん!わかった。友達と待ち合わせてるから途中まで一緒に出ようか。レンタカー返すまでね!」


一緒にいたいなんて、桜井さんも変わった人ですね?

まあ、敢えて断る理由はありませんからね?

でも、桜井さん、また、さっきから挙動不審?

今日も可愛いかも?

どうしたのかな?

あっ、イケナイイケナイ、また、変な気を起こしそうになってしまった!

気を付けよう。


さっき、出掛ける直前に、サンドイッチが入ったランチボックスとスープマグが入る鞄を桜井さんが持っていないことが判明して、僕が持っていた帆布ショルダーバッグを渡してから少しおかしいんだよね?


今僕が使っているバッグと色違いで、でも渡したのは使い古して色褪せた僕のと違って新品同様だしね。

お揃いだし!と言って渡したんだよね。

帰郷した親友が使う予定だった物だし、僕が何回か使ったけど、使ってくれると嬉しいし!


「さあ、お揃いのバッグ持って、短いけど、ドライブへGO!」


桜井さん、またお顔が真っ赤です。

可愛いんですけど、お熱ありませんよね?

大丈夫かな?


レンタカーを無事に返すことができてから桜井さんと別れて、友香との待ち合わせ場所の駅に向かった。


昨日、ラインで長々とチャットしてて、待ち合わせの約束をさせられたから。

午前中は必修科目で一緒だから待ち合わせなくてもと断っても、OKするまで終わりそうもなくて根負けしてしまったんだよね?


約束の時間よりもかなり早く着いたのに、改札口前でブンブン手を振る友香。

手だけではなく、尻尾まで振っているように見えますね?


何時から待っていたんですか?

そんな事して、恥ずかしくないんですか?

注目されてますよ!

僕は、とても、恥ずかしい、です!

他人の振りしても、良いですか?

駄目ですか、そうですか。

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