第15話 新居?

「さあ新居?へ、レッツゴー!」


渡会さんは、絶対にわざとやってますよね?

私、今、絶対に顔が真っ赤になっています!

とても見せられない顔をしていると断言出来ます!

新婚さんではないのですから、少し控えてほしいんですけど。

それどころか、今日初めてお会いしたばかりでお付き合いすらしていませんからね?

もう、今は話しかけられて耐えられる状態ではありません。

このままの勢いで彼と部屋に入ったら、今の私は明るい場所で合わせられる顔ではありませんから!


あ〜もう、どうしてくれましょうか?

ホントに、新婚初夜ではありませんからね!

私の意識しすぎでしょうか?


あわゎわっ、思考が支離滅裂になってます!

覚悟して、此処に来た筈なのに、どうしてこうなってしまったのでしょうか?



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



朝食用に色々買い込みます。二人分を二人で一緒に選ぶのは本当に楽しいですね?


もし、可愛い恋人ができて一緒に買い物で二人分の朝食材料を選んでいたなら、もっともっと楽しくてドキドキワクワクするんだろうな?


スーパーでの買い物中、とてもおとなしかった桜井さん。

お顔が真っ赤です。どうしたのかな?

手早く済ませて、早く帰ろう。


マンション前のコインパーキングにレンタカーを止めて、


「降りる前にオートロックの暗証番号を教えるからライン教えて?」


「………はぃ、少しだけ待ってくださぃ…」


泣き出しそうな雰囲気の、小声の桜井さん。

どうしたのかな?挙動不審?


「最初の4桁が部屋番号で、後のアルファベットと数字が暗証番号だから。顔認証も登録すれば出来るけど、精度が悪いから慣れるまでは暗証番号使ったほうがいいよ。じゃあ、行こうか?

桜井さんがやってみてくれる?慣れてくれないと、突然入れなくなるかもしれないからね?」


荷物は全部持ってあげて、エントランスに入ります。

ボストンバッグを渡すのを頑なに拒んでいましたが、重たそうなので強引に奪って持ち運びます。

何か見られたくないものでも入っているのでしょうか?

コッソリ開けたら、怒られるよね?

何故か真っ赤なお顔で、やっとロック解除出来た桜井さん。こういうの、慣れてないのかな?


エレベーターの中で、


「あっ、あのっ、…………」


「ん?どうしたの?」


「え〜っとっぅっ、あのっ、19階?」


「うん?そだよ。どうしたのかな?」


「だって、タワマンだなんて………」


「そうだよ〜、駅に近くて便利だよね!」


「………………………………」


「タワマンの中でも、一番狭い間取りの部屋だから心配要らないからね?セキュリティもしっかりしているしね!鍵は物理キーだけど、希望すればICカードキーも併用出来るんだって!都会のマンションは凄いよね?」

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