第128話  第2章 ⭐撮影1⭐

小さな島にある教会。

といっても、そんなに立派なものではなく。

海が見える丘に建てられたセットだ。


天気も良く、潮風が気持ちいい。

芝生の上に並べられた椅子は綺麗な布で飾られており、左右にわかれて座れるようにセットされている。

そして、生演奏の音楽隊もリハーサルをしていた。


青空の下には、ビュッフェスタイルで料理もたくさん並べ始めている。

建物の中では、これから運び出される予定のお料理がスタンバイされていた。


薄いピンク色の絨毯がまっすぐにひいてあり、神父さんのいる場所へと繋がっている。

絨毯が敷いてある道は大きなアーチがいくつかあり、綺麗な花や可愛いピンクと白のハートの形の風船がたくさん飾られている。

その奥に見えるウェディングのベル。


碧の目はキラキラと輝いている。

あっちを見たり、こっちを見たりと落ち着かない。


『うわぁー、すごーい!!これ、セット?』

『そうだよ!』

『本格的だねぇー!お料理まであるー!!』

『美味しそうだよね!後で食べれるよ!』

『なんか、凄すぎるんだけど。。。』


碧は陽の袖を少し引っ張った。

『ん?どした?』

『ねぇー、撮影に私が参加していいの?』

『後ろ姿だから、お願いっ!!!』

碧は陽にお願いされてついてきた。

セットのアーチを見て、碧は思わず声をあげた。

『ぅぁーーーーーーーーキレイ!!!』

『景色最高だよね?』

『スゴいね!セット可愛いー!え?結婚式みたいじゃん!』

『結婚式の撮影だよ!ビックリした?』

『へっ?後ろ姿って、私ドレス着るの?』

『そ。雑誌の撮影でね、結婚式の特集だってさ。B/の結婚式だって!』

陽は少し子供っぽい笑顔で言った。


『へぇーーー!』

『神埼さん、こちらへお願いします!』

スタッフに呼ばれた。

『メイクして、衣装に着替えるんだよー』

『えー、恥ずかしいー、大丈夫かなぁ。』

『モデルさん、お願いします!』

『ねぇ、本当に私で大丈夫なの?』


『大丈夫!大丈夫!』

陽は笑って碧の背中をそっと押した。

『そっか、じゃあ、行ってくる!』

『いってらっしゃい!』

碧はスタッフさんに案内されながら、建物の中に入っていった。

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