第126話 第2章 ⭐海人⭐
陽は楽屋に洗濯物を取りに行くと、海人がうなだれていた。
『海人!大丈夫か?調子悪い?』
海人がなんだか元気がない。
『いや、違うよ。陽、お前は大事にしてやれよ、彼女の事。。。。。』
『もちろん!えっ、どしたの?』
陽は急いで荷物を取りにきたのだが、手を止めて海人を見た。
『彼女さ、ライブ見に来るの今日でやめるって。寂しい思いさせてたから、俺も色々頑張ったんだけど、限界だ。。。』
『え?何かあった?』
『なかなか会えなくて、電話もゆっくりできなくて。誕生日も一緒にいて貰えない彼氏といても辛いって。陽、お前は絶対に手を離したらだめだぞ!』
海人は無理に少し笑ってこっちを見ている。
『お前、大丈夫か?彼女の為に無理もして仕事も忙しくて体調崩してたのか?』
海人はずっと調子が悪かった。
『彼女の為にできるだけ時間は作ったつもりだけど。俺も限界だ。だから陽には頑張ってほしい。。。。』
こんなに力のない海人を初めて見た。
陽は何も言わずに海人の肩をポンポンと叩いた。
『あ、これ差し入れだ!1番好きなの選んでいいぞ!糖分補給しなきゃ!』
『おっ。じゃあ、このチョコレートのやついただきっ!!!』
『たくさんあるから食べてて!すぐ戻ってくる!』
と陽は言って部屋を出た。
そして、碧にたくさんの洗濯物を渡して着替えを受けとる。
海人の言葉が陽の頭に浮かんだ。
『碧、色々我慢させてごめんな。。。』
『なぁに?急に。どした?』
『なんでもない!』
陽はにっこり笑った。
『家に帰れる日がわかったら連絡してね!何が食べたいかも考えといて!』
碧も嬉しそうに笑った。
『陽、碧ちゃんに感謝しなきゃね!』
陽の母親はふたりを見て言った。
『感謝してもしきれないよ。』
心からの言葉が陽の口から溢れた。
『体には気を付けて、ちゃんと食べてね!』
『おっ、サンキュ!』
(何とかしなきゃ、B/は壊れてしまう。。。)
陽は碧や母親達に手を振って、楽屋へと戻って行った。
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