第125話  第2章 ⭐ツアースタート⭐

新たなドームツアーがスタートした。

個人での活動と平行して行われたリハーサル。メンバー同士がぶつかり合い、協力したり、たくさん話をしたり。

倒れてしまったり。。。。。


ようやく形が見えてきた状態で初日を迎えた。

開演の合図のカウントダウン。

『キャー』

ドームが揺れる程会場に響き渡る声援。


この瞬間のためにメンバーはやってきた。

客席を見渡せばみんなの笑顔がパワーとなり、どんなにふらふらでも踊れた。


みんなの掛け声は、次のステージへ向かう夢を与えてくれた。

みんなの心に届くように、気持ちを歌にのせて届ける。

指の先まで集中して、ダンスをする。



3日間ライブをして、移動をする。

撮影に戻るメンバーや、レギュラー番組の出演の為に帰るメンバー。


いつも一緒に行動をして笑い合っていただけのグループは、こんなに大きく変わってきていた。


夢が大きくなるのは嬉しい反面、プレッシャーも大きく膨らんだ。


ありがたいことに半日の休みすら取れなくなっていた。

碧は相変わらず、陽の1番のファンであり、1番の理解者として、何も言わずに待っていてくれる。

どんなに寂しくても言葉に出さずに、陽の事を迎えてくれた。




陽は決心をしていた。

このツアーが終わったら、事務所と話をしよう!

できるだけの事はやっているのだから。


ツアーの途中でも、変更点などは出てくる為に調整が必要だった。

そして、また海人がダウンしかけている。




『海人、いけるか?』

『何とかやりきるよ!俺達の輝ける夢の場所だ。たくさんの人に支えられてステージにたてるのだから。』

(良かった。)

心はまだ折れていない!

みんなで支え合えば大丈夫だ!

陽はメンバーとたくさん話をした。


海人の体調に合わせて、少し内容を変更してツアーを続けていく。

今日は海人の彼女と碧と2人の母親がライブを見に来ていた。


ステージが終わって、少し話ができる。

碧達もたくさん差し入れを持って来てくれた。

『陽!お疲れ様!これ、みんなで食べて!スゴいねーめちゃくちゃ盛り上がって楽しかったーーー!』

碧の笑顔に陽は救われている。

こんなにニコニコされると、陽の疲れは少しだけ消えていく。


『良かったーーありがとう!なかなか家に帰れなくてごめんな。。。もうすぐ撮影終わるから、来週には家に帰れそうだよ!』


(あっ!)と言って、碧がカバンを渡してくれた。

『陽、着替えもってきたよ!洗濯物あったら入れ換えて持って帰るから。同じ服ばかりも嫌でしよ?』

自分で洗って干すと、いつもしわくちゃになってしまうし。


『ホントに助かるーー!洗濯物、お願いしちゃっていい?』

『もちろん!』

『待ってて!もってくる!』

陽は笑顔で楽屋へ向かった。

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