第123話  第2章 ⭐ツアーとドラマ撮影と⭐

新たなツアーが決定した。

B/のメンバーはそれぞれドラマに出たり、バラエティー番組に出たりと多忙なスケジュールをこなしている。


陽も同じだ。

ドラマの撮影も始まり、その合間にリハーサルをする。

ドラマ撮影の現場と、事務所を行ったり来たりして陽も疲れを隠せない。



ツアーのリハーサルもうまく進まず、B/のメンバーはひどくイライラとしていた。

『あーー!くそっ!!!違うだろ!』

『あー?何がだよ!』

『やーめーろって!!!』

陽が海人と駿をなだめる。

『落ち着こう!辛いのはみんな一緒だ!』

『啓太は?洋平は?居ない奴は考えなくていいのかよ!』

駿はタオルを床に投げつける。


『啓太も洋平も辛いはずだろ!考えてやれよ!集まれるメンバーで形を少しずつ作って、組み合わせていけばいいじゃねーか!』

『くっそ!やってらんねー!ここの振り付けどーすんだよ!』

海人もぶつけようのない苛立ちを露にする。


『海人!落ち着けって!』

陽も気持ちは同じだったが、メンバーがバラバラにならないように必死だ。

B/は忙しく、それぞれが必死にスケジュールをこなすだけでいっぱいいっぱいだった。



陽はリハーサルを抜けて、ドラマの撮影に戻る。

『すいません、遅くなりました!』

決して陽のせいでの遅刻ではないのだが、そうやって陽は必死で仕事をしていた。



夜の10時を過ぎて、撮影が始まった。

家に帰るのは夜が明ける頃だった。

碧を起こさないように、さっとシャワーを浴びて、碧の寝ている布団に横たわる。

(はぁーハード。。。4時間くらい寝れるかな)

陽は碧にくっついて眠りについた。





ジューーーとキッチンの方から音が聞こえる。

陽は少しずつ目を覚ました。

(はっ!今何時?8時!ビックリしたー)

キッチンに行くと、碧が朝食を用意してくれていた。

『おはよ』

『おぁよぉ……ふぁー』

『眠いよね、朝ごはん食べる時間ある?』


ちらっと時計を見たが、もう仕事がない。

『んー、時間ないやぁ。ごめん。』

『じゃあ、入れ物に詰めよか?お弁当。』

『うん、助かるー。』

冷めてしまっても、簡単なものでも、やっぱり碧が作ってくれる物が食べたかった。


『私にできる事は少ないから。』

『ありやと』

顔を洗って歯を磨き終わるとマネージャーのお迎えが来た。

『陽~寝癖!!にゃはは!』


碧の笑い声が、陽に少し元気をくれる。


『また車で寝るからこのままで行くわ!』

と、寝癖のまんま陽は荷物を持った。


『いってらっしゃい!』

『行ってきます!』

久しぶりのふたりの会話もあっという間に終わってしまった。

そしてまた、陽はHARUとして仕事に向かった。

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