第118話  第2章 ⭐結婚式⭐

結婚式場に車が止まった。

車のドアが開き、黒いスーツを着た男性が降りてくる。



『ふーっ』と息を吐き、上着の襟を正して歩き出した。

会場に入って、奥の部屋へ行く。

コツコツコツコツ・・・・・

扉の前に立って、ノックをした。

『は~い!どうぞ!』

扉が開いて、部屋の中には白いウェディングドレスを着た女性が座っている。


『お待たせ!』

と、声をかける。

ドレスを着た女性が振り向いて、とびきりの笑顔を見せた。

『陽ーーー!来てくれたの?』

『お久しぶりです!凛花先輩!結婚、おめでとうございます!』

『ありがとう!忙しいのに大丈夫なの?』

『そりゃー、お世話になった大事な先輩方の結婚式ですから!』

陽はにっこりと微笑んだ。


『ありがとう!』

凛花先輩も嬉しそうに笑っている。

『碧は、来てます?』

『うん!今ね、色々手伝ってくれてる!』

『じゃ、また後で。僕、ギリギリに会場に入りますね!』

『はーい!宜しくお願いいたします。』

今日はサッカー部の菊池先輩と凛花先輩の結婚式だ。

B/はどんどん有名になり、テレビやライブなどで忙しく、超人気者のグループに成長していた。



今日の結婚式はサプライズで呼ばれている。

碧は受け付けでの手伝いをしていた。

陽はこっそり、その様子を伺っていた。

キレイなブルーのシンプルなワンピースを着て、いつもよりも大人っぽく見える。


チャペルでの結婚式に陽は参加せずに、披露宴だけ参加をする。

騒ぎになるのを防ぐためだ。


チャペルでの結婚式を無事に終えて、みんなが披露宴会場に移動する。

少し薄暗くなったタイミングで陽は碧の隣の席に座った。

碧がにっこりと微笑んだ。


『とってもいい式だったよ!チャペルも凛花先輩も素敵だった!』

碧は陽の耳元で報告する。

『そか。見たかったな。。。』

『仕方ないね。。。』

『キレイな碧が見れるからいっか!』

(もうっ!)と碧はほっぺを膨らませて見せた。



音楽が鳴り始めて、扉が開いた。

菊池先輩と凛花先輩はキラキラと輝いてる。

みんなの拍手で披露宴が始まった。

主役は新郎新婦なので、陽の存在はバレなかった。

陽は、お腹が空いていたのか、運ばれて来る料理をパクパクと食べる。

『碧、これ美味しいよーー!』

『ふふっ』


昔と何も変わらない陽がいた。

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