第116話 ⭐半年後⭐

ドームツアーの最終日。

もうすぐ開演の時刻だ。

B/のメンバーは円陣をくんで気合いを入れる。


『よっしゃーーーーー!!!!』

『ドームツアー最終日!!!』

『最後までケガなどしないように!』

『ドームの中のお客さん全員にとどけようぜ!いくぞーー!!!』



B/のメンバーがステージへ上がる。

(キャー)

(こっち見てーーーーー!!!!)

(SHUNーーーー!)

(KEITAーーーー!)

(HARUーーーーーーー!!!!!)

(KAITOーーーーーーーー!!)

(YOUHEIーーー!!!)

ドームの中に歓声が響き渡る!!!


その歌声は客席を時には笑顔にし、透き通った歌声は時に涙を誘う。


そのダンスは客席を魅了する。

トークは盛り上がり、笑いを誘う。


ファンサービスをすれば、嬉しそうに手を振ってくれる。


B/にとっても、陽にとっても、あっという間であり、長くも感じる大切な時間だった。


たくさんの歌を会場の全員に届ける為に全力で挑んだ。

『最高のライブでした!』

『楽しかったです!ありがとう!!』

『ありがとうございました!』

『また、戻ってきまーす!』

『バイバーイ、またねーーー!!』

とステージを降りた。


B/の初のドームツアーは無事に終了した。


『うぇーい!!』

『お疲れーーー!!』

と全員でハイタッチをした。



記念撮影も終わり、シャワーをして帰る支度をする。

『打ち上げどこー?』

『焼き肉ーー!!』

『あ、悪い!!!俺はパス!!』

陽がパスするのは珍しい。


『えっ?陽、焼き肉だぜ???』

『今日だけはちょっと。。。』

いつもよりも急いで帰る支度をしている。


『えーー体調でも悪いのか?!』

『焼き肉だよーーー!どうした?陽が焼き肉いらないなんて!』

『ちょっとくらい食べて行けば?』

『俺がお前の分も食べるぞ!』

『どこ行くんだよーーー!』

メンバーが声をかける中、

『えへへ』

と陽は笑うだけだ。

『ぅおーーーい!!!』

メンバーが騒ぐ。


『じゃ、お疲れ様でーす!』

陽は1人で先に会場を急いで出た。


『焼き肉良かったのか?』

と、笑っていたマネージャーが送ってくれた。


『じゃ、お疲れ様。明日は久しぶりの休みだから、しっかり休んで。明後日の時間はまた連絡入れます!』

『はい、お疲れ様です!』

と、大きな荷物を持って陽は車から降りた。



大きなぬいぐるみを抱え、建物を見上げる。

久しぶりの匂い。

見慣れたポスト。

エレベーターに乗り込み、ボタンを押す。


そして、ある部屋の扉の前で、深呼吸をしてチャイムを鳴らした。



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