第70話 ⭐それぞれの実家⭐

碧の体調は波があった。

パニック障害の発作なのか、悪阻なのか。

碧はソファーで横になっている時間が増えた。


なので、それぞれの実家に報告に行くのは陽1人で行った。


まずは、碧の実家に挨拶に行った。

『申し訳ございません。。。』

『でも、僕は嬉しくて!パニック障害もあるので、僕は全力で碧さんを支えて家族を守りたいと思ってます。』

碧の父親は言った。


『陽くんの夢はどうなるんだ?碧の夢でもあるんだよ!』

『碧さんと授かった命の方が大事です!』


腕組みをしながら、碧の父親は話をしている。

『今しかできない事もあるとは思うんだけど?夢を叶えるのを諦めないと、碧達を守れないわけではないよね?陽くんの事も大事だと思うよ。』


えっとー。。。陽は混乱していた。

『難しく考えなくていいんだよ。籍を入れる事も反対はしないし、陽くんが夢を叶える為に頑張り続ける事も応援するよ。私達だって、手助けもできるんだから。』

『え、ありがとうございます!碧の体調が落ち着いたら話し合ってみます!』

『碧はきっと陽くんの夢を叶えて欲しいとおもってると思うなぁー』

碧の母親は笑顔で言ってくれた。

『僕は幸せ過ぎます。』

陽は泣いて頭を下げた。




自分の両親には多少怒られた。

『碧ちゃんの体調、気にしてあげてよ!ホントにもう!何かあったらすぐに連絡するように碧ちゃんにも伝えておいてね。私達も出来るだけサポートさせてって!陽、本気でやりなさい!』

『俺は夢を追いかけてていいのかな。』


陽の父親は言った。

『碧ちゃんの願いなら、叶えてあげるのも男だ。

夢を諦めて家族を守る為に生きるのも男だ。どちらにしても悔いを残さないように決めなさい!でないと、碧ちゃん達が可愛そうだよ。』



『わかった。何かあったら手伝って欲しい』

陽は自分の両親にも頭を下げた。

『でも、嬉しいんだ!碧と俺の赤ちゃん、絶対可愛いいはずだよー!碧に似た女の子がいいなあーーー』


陽はお茶を飲みながら天井を見上げて想像していた。


『お前に似たらポンコツだから困るわ!』

父親の一言で、落とされた。


(ちえっ。。。)

でも自分の両親も笑ってくれた。

陽は幸せだった。


自宅に戻ると碧がうたた寝をしていた。

寝顔が愛おしい。そーっとブランケットをかけてあげる。大事な碧と家族。

陽はこっそりと写真を撮った。

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