第66話 ⭐インタビュー⭐

陽は会場の入り口で呼び止められ、カメラの前でインタビューを受けていた。

この30人の中から新しくFLY!!に加入するメンバーが選ばれる!


オーディション会場にFLY!!のメンバーもいる、とFLY!!のファンやオーディションを応援してくれる人達でざわざわと賑やかだ。


会場の雰囲気は熱く、皆が夢を追いかけて集まってきている。

『自信はありますか?』

『あります!今までの全てを出しきりたいと思ってます!』

『歌とダンスと両方ありますけど、どちらが得意だと思いますか?』

『歌です!ダンスはどちらかというと苦手なんですけど、筋肉は誰にも負けません!!』

と陽は自慢の筋肉をアピールしてガッツボーズをして見せた。

『頑張ってくださいね!』

『はい、ありがとうございます!』

笑顔でお辞儀をして、会場に入っていく。

『頑張ってーーー』

と、声をかけてくれる人もいた。



ダンスは5人ずつ、課題として与えられたものを披露する。

そして、歌。これは課題曲と自由曲とを披露する。


陽はぎこちないながらも必死で踊った。

緊張で、少し間違えてしまった。


課題曲は、自分ではうまく歌えたと思っている。

そして自由曲は、碧の前で初めて歌った曲にした。自分の歌声を初めて聞いた時の碧の顔を思い出しながら。

碧を想いながら。

心を込めて歌った。



そして、この日のオーディションは終了した。

長かったのか、あっという間だったのか。

そんな事もわからない程、集中していた。



FLY!!のメンバーからも、コメントを貰った。

『皆さんのパワーを感じて、僕たちも負けないようにまた頑張って行きます!絶対に諦めないで、夢を叶えて下さい!そして、いつか絶対に会いましょう!』


陽は心に焼き付けていた。


『皆さん本日はお疲れ様でした!皆さんの熱い気持ちが伝わってきて最高でした!

結果は2週間後に直接電話で連絡いたします。合格でも不合格でも電話で連絡をさせていただきます。その際にスタッフがカメラを持って伺いますが、どうしても都合の悪い方はおっしゃってください。後日テレビの放送もありますので、周囲の方にもお伝え下さい。』


『皆さん、オーディションへの参加、ありがとうございました。とても素敵なものを見せて頂きました。これからも夢を叶える為に頑張ってください!本日はありがとうございました!』


『ありがとうございました!』

と、オーディションを受けた全員で挨拶をして終了した。

帰る準備をしながら携帯を見ると、碧の母親からメールが届いていた。

(碧が倒れて病院にいます。終わったら連絡ください。)

陽は慌てて会場を出て、電話をかけた。

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