第45話 ⭐リハビリ⭐

『はぁ、はぁ、はぁ、』

『桜木くん、ちょっと休憩しよか。』

陽は焦っていた。リハビリは始まったばかりで焦る必要はないのだが。。。

(早く復帰しなきゃ!俺はキャプテン!それに、碧はマネージャーとしてメンバーを守ってくれている。俺は。俺は。俺は。。。)

陽は焦っていた。

病室に戻ると珍しくイライラとして、タオルを投げつけた。



『じゃ、今日もお先に失礼します!ごめんねー、いつもはや上がりでー、あとお願いします!』

碧は少し早めに部活を切り上げて帰る。

『おー!桜木によろしくなぁー!』

部員達も理解してくれている。

碧はメインの練習が終わると、後輩マネージャーに残りをお願いして、陽の病院へ急いで会いに行く。


陽からのライン。

(無理して来なくていい。こっちは大丈夫だから。部員達を見ていてほしい。)

えっ・・・来るなって事?何?

碧は不安でつぶれてしまいそうだった。

早く、早く、陽に会いたい!!!

息を切らして病院へたどり着いた。

と、陽のお母さんと出会った。


『碧ちゃん?今日も来てくれたの?』

『あのー、陽。。』

『ちょっといい?』

陽の母親は碧を外のベンチに誘った。

『リハビリも順調なのよ。ただ陽は焦ってる

みたいで。それと……』

『それと?』

『お医者さんがね。サッカーはできるけど、以前と全く同じプレーは出来ないかもって』

『。。。へっ?。。。』

『サッカーが出来ない訳じゃないのよ。他の運動も生活も何も支障はないって。ただ、筋肉が断裂してしまったから、最前線でって訳にはいかなくなるかも知れないって。』



碧はうつ向いて聞いていた。

(陽、サッカー頑張ってたのに。あんなにキラキラしていたのに。)

『なんて伝えたらいいんだろうね』

陽のお母さんは不安そうに呟いた。


碧はふと空を見上げて言った。

『サッカーが出来ない訳じゃないなら、以前のようにプレーは戻せるかもしれなし!

もしも。。。もしも、無理なら。。。。。

陽は自分で気づくと思います。たぶん。』

『。。。そうだよね、感は良い子だもんね。碧ちゃん、無理しないでね。体調は?』

『私は大丈夫です!陽がいてくれればそれでいいんです。』

それと。。。

『陽にとって邪魔な存在にならない限り、傍にいるつもりです。』

陽の母親の目を見て碧は伝えた。

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