第40話 ⭐サッカー部⭐

もうすぐ夏が終わる。

3年生の部員の引退試合も終わり、マネージャーの凛花先輩も部活に来ることがなくなった。

最後の練習の日はいつものパン屋へみんなで行った。

碧は泣きながら、凛花先輩への感謝の気持ちを述べて抱き合った。

パン屋のおばちゃんも寂しくなるなぁと少し泣いた。


『まだ卒業ではないから、たまには部活にも顔出すし、ここにも来ます!』

凛花先輩は笑顔で言った。

小柄で可愛くて憧れの先輩。

3年生になった凛花先輩は少し大人っぽくなって、綺麗になった。

『受験勉強頑張って下さいね!!!』

『碧、サッカー部のサポート頼んだよ!』

『了解です』

碧はふにゃふにゃと敬礼をしてみせた。

『ホントに大丈夫かぁー?』

誰かが言って、みんなで笑った。

そして陽はサッカー部のキャプテンに選ばれて、これからみんなを引っ張っていく。

(陽を支える)

碧は夢中だった。


3年の部員がいなくなったサッカー部。

今度は陽達が引っ張っていく。


そして、暑い夏は終わった。



風が吹くと枯れ葉が舞う。

少し肌寒くなっきた頃。

全国大会へ向けてサッカー部は燃えていた。

とにかく予選通過だ!!!

陽は朝にはランニングを欠かさない。

基礎練習と体作りと陽は必死でやっていた。

休み時間もボールを足で転がす。

(とにかく結果を残さないと!)

陽は部員とのミーティングや練習に集中していた。

(碧と部員と一緒に見たことのない景色を見るんだ!)


教室での陽は天然でおっちょこちょいだ。

だが、サッカーをしている時は別人のようになる。

そんな陽の背中を部員全員が支えて押してくれている。

碧も必死で追いかけた。

(頑張ってみんなで全国大会へ行く!)


陽と碧は青春のど真ん中にいた。


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