第12話 ⭐碧の日記⭐

代わり映えのしない碧の日記は続いていた。

だが、今日は"バケツの水事件"という内容になった。

悲しく悔しい気持ちをページに吐き出す。

今日はいつもより長い日記になりそうだ。


汚れて濡れてしまったスカートを見て母親は言った。

『どしたの?スカート濡れてる!』

『渡り廊下で水撒きしててさぁー、まさか濡れてるなんて思わなくって。

びしょびしょに濡れてて滑って転んだー、最悪だよーーー』

と親に嘘をついた。


『気をつけなさいよぉー』

と言いながら、母親は洗濯をして干してくれた。

『けどー、どんなこけ方?!どんくさいなぁー』

母親はケラケラと笑っている。

『親からの遺伝だと思うけど??』

碧はごまかして言った。


『後で自分でアイロンかけなさいよー』

『はぁーーい』

碧の家ではそんな会話が繰り広げられる。

そしてふと桜木陽の笑顔が浮かんだ。

タオルを洗濯して返すべきだった。。。

(明日謝らなくちゃ!)


その日の日記の最後の言葉は

『ありがとう』だった。

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