第5話

「...わからないですけど多分光球があなたも呼んでいるんだと思います。なので一緒に来てくださいませんか?今あなたを失う訳にはいかないんです.........」

そう言いながら彼女は真剣な瞳でこちらを見つめてくるので私も覚悟を決めないといけないと思い頷いた。

(...正直わからないことばっかりだけど彼女の言うことを聞かないわけにはいかないしね。何よりあんな悲しい顔をされたらほっとけないもん)

そう思って彼女に返事をする。

「わかったよ。じゃあ行こっか」

この言葉に彼女も頷いてくれて私達は立ち上がってそのまま部屋を出て行く。 その後特に何事もなく寮の外に出た私と彼女を待っていたのは綺麗な青空だった。

「そういえば、まだあなたの名前を聞いていなかったよね。教えてくれない?私はクレアよ。あなたは?」

私は歩きながらそう聞いてみると彼女は微笑みながら

「...レイヤです。よろしくお願いしますクレア先輩」

そう言ってきたのでこちらも笑みを返しながらこちらこそよろしくと言っておいた。 そうしてしばらく歩いていると前方から誰かが走ってきているのがわかった。誰か見てみるとルミアだったので手を振ってみたら向こうもこちらに気がついて手を振ってくれた。そしてそのまま走りながらこっちに向かってきて私達の前で止まってくれた

「クレア、大丈夫?。教室でなにか事故が発生したらしいじゃん。あれ?その子は誰?」

そう言ってこちらを覗き込んでくると彼女が自己紹介してくれる

「...はじめまして。私はレイヤって言います。これからクレア先輩に魔術について教えてもらおうと思っていて付いてきたんですけどお邪魔ですか?」

そう言ってルミアに確認を取ると彼女は笑顔で返事をしてくれた

「大丈夫だよ。それじゃあ私も手伝ってあげるよ!」

そう言うとルミアはレイヤの手を握ってきてくれた。それを見たレイヤも嬉しそうに笑っていたのでこれなら大丈夫かと思った私は二人と図書館に向かった。図書館に向かったのには訳があった。それは魔術に関する事象や研究の成果などを調べておきたかったからだ。

私たちは図書館に着くと手分けして資料を探し始めたのだが..................

「......えっとこれじゃない......これは.........あ、これも違うね............」

「.........うーん.........なんかいまいちだね............」

「...............うん、そうだね」

こんな感じで全く見つからずにいた。

「やっぱり魔術が暴走したりするが生まれつきであることが珍しいから見つけにくいのかな......?」

私が呟くように言うと

それを聞いていたレイヤは小さく頷きながら口を開いた 。

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