第3話
「............実は............」
彼女がそう言った途端大きな音が教室中に鳴り響いた。
驚いて音の発生源である後ろのドアの方を見てみるとそこには黒板に大きな穴ができていて周りにあった石材は全て壊れてしまっている。まるで何かがぶつかったようなその穴を見てクラス中が大騒ぎになっている。
そんな様子を見ていると彼女は焦った様子で
「どうしよう............またやっちゃった.........」
と言ったので思わず私は首をかしげてしまったがとりあえず落ち着かせようと彼女を宥める為に優しく声をかける
「......えっと大丈夫?落ち着いて落ち着こうよ......」
私がそう言うと彼女は一旦深呼吸をしてから改めてこちらに顔を向けてからゆっくりと喋りだした。
「実は私ね.........魔術を使うとなぜかいつもああなるんだよね......」
「.........それは..................なんで?」
すると彼女は困ったような表情で言った。
「...............わかんないけど......小さい頃からそうなんだ.........」
そして少し考えた後にこんなことを言う。
「......もしかしたら.........私って呪われてるかも」
「............え~っと......」 彼女がいきなりそんなことを言い出した為どう答えたらいいのかわからず困っているとそれに気づいたのか慌てて弁明するかのように
「......あ!別にそういう意味じゃないの!!ただなんとなくそう思っただけなの!」 と早口で言ってくるので
「そういえば、なんで私に魔術を使おうと思ったの?」
と聞くと少し悩んだ末に小さな声で
「......笑わないで聞いてくれる?」
と言ってきた。 それに頷いて答えると意を決したように彼女は語り始めた。
「......実は私ってさ.........昔から魔力の量が多くてよく周りの人に驚かれたんだ」 「確かにそうだけどそれがなにか関係あるの?」
すると彼女がさらに続けて言う。
「......うん、それで周りの人達の中にはこの力があるせいで気味が悪いとか怖いだとか言ってた人も少なからずいたみたいなの.........」
「だから私はみんなに怖がられないように必死に努力したんだけどなかなかうまくいかなくてね.........」
(でも急にどうして私に魔術を?) と思っていると彼女が恥ずかしそうにしながら 「......それで誰かに相談したくてもできなくて困ってたんだ......そんな時だったの偶然貴女を見つけて声をかけようとしたら間違えて魔力弾を打ってしまったんです......本当にごめんなさい!!」
私はそれを聞くと驚いていたがすぐに微笑んで
「......大丈夫だよ。だって気にしてないから謝らなくてもいいんだよ。だってわざとじゃないんでしょ?だったら気にしなくても大丈夫だよ」
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