第11話 帝国議会

 今日は帝国議会が開かれる日。

 僕の部屋に集まったシャルたちは、誰もが緊張を隠せないでいた。

 僕は議会を見学するために、シャルが出した条件通りに変装したのだが……。


 「これって、メイド服だよね! 何で女装しないといけないのかな?」


 「仕方ないのです……プフッ。私の従者に見知らぬ男性が現れては、相手に警戒心を抱かせてしまいます……プッ。わざわざこちらから問題を提示する事もないでしょう」


 フフッ。クスクス――。


 彼女たちからは笑いが漏れている。


 「笑いながら言われても……。皆、楽しそうだね!」


 悔しまぎれに皮肉を言ったが、誰も気にかけてくれなかった……。

 ただ、先ほどまでの緊張感に包まれた空気だけは消えていた。


 その後、イーリスさんが涙をぬぐいながら僕の肩を優しく叩くと、息を整えて報告をする。


 「ユナハ領主から賛同をいただきました。そして、ユナハ領への移送は八割がすみました。また、エルフ領プレスディア王朝とウルス聖教国からユナハ領主へ賛同かつ支援の方向で動くとの返答がありました」


 皆はホッとしたような笑顔になり、「良かった」とつぶやく者もいた。


 シリウスさんが緊張した面持ちで前に出る。


 「ゲーテバック辺境伯の返事は、自軍だけなら直ぐにでも合流できるが、辺境討伐軍全体となると、紛れ込んでいる敵性分子を除外する必要があるため、時間が欲しいとのことです。私からも時間の猶予を与えていただきたく、お願い申し上げます」


 「辺境討伐軍の規模はどれくらいなの?」


 「約一万人です」


 「それなら仕方ないし、その人数の選別をしてくれるのはありがたい事だよ! ゲーテバック辺境伯にお礼と、時間を気にせず、しっかりと選別して欲しいと伝えてくれるかな」


 「ありがとうございます。ゲーテバック辺境伯には使者を送り、フーカ様からのお言葉を伝えておきます」


 彼は満足そうな顔をしていた。


 「そろそろ、お時間になります。皆様方、議場へとお向かい下さい」


 アンさんの言葉で皆が一斉に動き出す。女性ばかりなのにとっても勇ましく感じた。

 皆の後ろについていると、アンさんが袖を引っ張ってきた。


 「フーカ様は私の部下として連れて行きますので、私のそばから離れないで下さい」


 「はい、よろしくお願いします」


 僕の返事に、彼女はニコッと笑ってくれた。とても絵になる姿だった。スマホを持ってこなかった事が悔やまれた。



 ◇◇◇◇◇



 帝国議会が始まる。

 玉座の横に置かれた椅子にはシャルが座っていた。

 僕とアンさん、ケイトは右端で控え、レイリア、ミリヤさん、シリウスさんは左端に控えている。

 イーリスさんは、檀上から一段下がったその他大勢の中の右側にいた。


 「こちらから見て、左側の群れが軍属、右側の群れが貴族です。どちらも前列から大臣や大将など、爵位の高い者の順に並んでいます」


 アンさんは僕にだけ聞こえるように教えてくれた。

 すると、中年太りで白髪混じりの金髪をオールバックにし、薄くなったところを隠している目つきの悪いおっさんが前に出てきた。


 「これより、帝国議会を始める。まずは、シャルティナ皇女殿下から王印の儀式の結果についてご報告をお願いします」


 アンさんが僕の耳元に口を近付ける。


 「あれが我々の天敵、宰相のバルト・フォン・ボイテルロック侯爵です」


 シャルが立ち上がった。


 「この度の儀式は神鏡の老朽化が原因で鏡が割れてしまい、儀式が中断せざるを得ませんでした。しかし、このまま儀式を断念するのではなく、ユナハ伯爵自治領にある神鏡を使い、再度試みます」


 彼女はそう言うと、椅子に座る。

 この徐の言葉にざわつきだした議場を、宰相が手で制した。


 「儀式をやり直せば、王印は授けられると断言できるのでしょうか?」


 「それは、行ってみなければ分かりません。ですが、これは即位する者の伝統的な儀式ですから、再度試みねばなりません」


 「王印はそこまでして必要なのでしょうか?」


 「カーディア帝国では、代々、王印を授かった者を皇帝として認めてきました。このままでは皇帝は不在の状態が続いてしまいます」


 「王印を持たぬ国もありますが、国として成り立っています。そのあたりはどうお考えなのでしょうか?」


 「確かにそういった国もあります。しかし、我が帝国では王印に付与されている女神様の加護により繁栄してきたことも事実です」


 「我が帝国の現状を見るに、王印がなくても構わないのではないでしょうか?」


 シャルは返事をしないで、眉間に皺を寄せている。

 議場には、「必要ない」「いらない」「もう、そんな時代ではない」などヤジを飛ばす者が増えだした。

 公共放送でよく見る光景なのだが、皇族にまで行う彼らの図太さに苦笑してしまう。


 白髪に白いあごひげをした目つきの鋭い痩せた老人が、前に出て来て叫ぶ。


 「王印あっての皇帝、これがカーディア帝国の伝統だ!」


 シャルを援護する人が現れ、議場は一瞬で静かになった。

 アンさんが再び僕の耳元に口を近付ける。


 「元老院議長、ヘルマン・フォン・ベーレンドルフ侯爵です」


 あれがカーディア新帝国の皇帝か……???


 「あれ、おかしくない? あの人って、カーディア新帝国の皇帝だよね? ここにいるのも不思議だけど、カーディア帝国の議会に当たり前のように出席して発言しているの?」


 アンさんを見つめると、困った顔をしている。


 「これが現実です……」


 彼女の一言に、シャルを援護する者が出てきて、本気で喜んでしまった僕の感動を返して欲しいと思った。

 それにしても、この国はダメだと思っていたが想定の遥か上をいっている……。


「もしかして、カーディア正統帝国の皇帝もいたりして……」


 冗談めかして言ってみた。


 「貴族の並びの二列目から四列目あたりの貴族の誰かが皇帝だと思われます」


 アンさんの返事はシャレになならなかった……。


 「あれ? 誰かってことは、誰だかわかっていないの?」


 「はい、あの中の六人が皇帝として統治しているようなのです」


 「六人が皇帝って……。いや、まさかね……」


 僕はカーディア正統帝国の統治の仕方に嫌な予感を感じ、あとでシャルたちに知らせるべきだと思った。


 議会のほうは、元老院議長が出てきたことで、シャルの意見が優位になりだしていた。

 すると、黒髪で前頭部が剥げていて、キッパのような帽子をかぶっている太った脂性の男性が、貴族の並びから出てくる。

 金糸をふんだんに使った神官服を着ているので高位の聖職者なのだろうが、見た目からして胡散臭うさんくさい。


 「我々の調査では、女神の加護は言い伝えや偶然に起きた出来事をこじつけたもので、実在しません」


 「あなたはカーディア帝国が信仰する女神様を貶めるのですか?!」


 その聖職者の言葉を聞いたシャルが、声を大にして反論した。


 「ハウゼリア新教司教、カス・オウル・ゼンデンです」


 アンさんは、僕に彼の素性を教えると、彼に蔑む視線を送っている。

 その態度で相当嫌いなのが分かった。


 「失礼ながら女神ルースはカーディア帝国を捨て、女神ウルシュナは王印を与えるだけで何もしないではないですか!」


 彼は満面の笑みを浮かべている。


 「それは……」


 シャルが口ごもってしまった。

 ちょっとまずいと思ったが助けてあげられないのが歯がゆい。


 「何もしないなんてことは、ハウゼリア新教の神ではありえないことです。女神ルースとウルシュナは邪神なのではないでしょうか?!」


 なっ……。カチン!!!

 椿ちゃんと雫姉ちゃんを悪く言われて、頭にきた僕が前に出ようとすると、アンさんに抱き寄せられてしまった。

 彼女の温もりと微かに漂ってくる香りに冷静になり、彼女を見ると、首を横に小さく振っていた。


 「耐えて下さい」


 彼女に小声で言われた。


 「ウルス聖教に対しての冒涜ぼうとくです!」


 ミリヤさんも限界だったようだ。


 「ふん、ウルスの巫女風情が偉そうにしおって。司祭であるこの私に意見するとは嘆かわしい!」


 司教が鼻であしらった。


 「いい加減にしろ!!!」


 シリウスさんが剣の柄に手を添えて怒鳴った。


 「ヒィッ!」


 彼は悲鳴を上げ、金髪のショートでいかつい体格にひげを生やした顔が怖いおっさんの後ろに隠れる。

 僕までビビってしまった……。恥ずかしい。


 「アウレート卿、その者をおかばいになるか?」


 「シリウス殿、貴殿のお怒りはごもっとも。だが、ここは殿下の御前。この件は私に免じて収めてくれないか? ゼンデン司教、貴殿は下がっていろ! 話しが進まぬ!」


 シリウスさんは、軽く頷いただけだった。

 アウレート卿って事は、あれがシャルの婚約者か。

 それにしても、おそらく女神であろう椿ちゃんたちの存在を知ってしまったシャルたちにとって、こんな論争をされても、やりきれないだけだろう。


 「皆、思うところもあるだろうが、こんな事で揉めていてもらちがあかぬ。今は皇女殿下に再度、王印の儀式を行ってもらうしかないであろう。宰相もよろしいか?」


 元老院議長が話しをまとめに入ると、宰相と議場にいた者たちは承諾した。

 だが、これで終わりかと思ったら、宰相が再び前に出てきた。


 「儀式のことは私も納得しました。ですが、殿下はアウレートとアノンのどちらかと婚姻を結ぶお立場です。このままでは婚姻も延びてしまいますが、どういたしますか?」


 「王印の儀式の結果次第で状況が変わりますので、今は結果後にお伝えますとしか言えませんが、宰相、よろしいですか?」


 「お心にとめていただいているのであれば構いません」


 宰相はシャルの返事に満足そうに頷いた。

 今度こそ終わりかと思ったら、金髪を後ろで束ね、どこかだらしない感じの青年が手を挙げ、軍属の列から出てきた。


 「殿下、従者が一人増えているようですが……」


 彼は、僕を値踏みするような視線で見つめてくる。


 ゾクリ。ブルブルブル。


 背筋が凍る……。


 「彼女は、まだ、見習いですが、才があるため、アーネットとミリヤのもとで修行させている者です。アノン卿が気に留めるような者ではありません。そう言えば、あなたには、優秀な側仕えが多くいるらしいですね。羨ましいことです」


 シャルが僕の名前を伏せつつ、簡単な紹介をしてから話しを逸らしてくれる。

 あれがシャルの婚約者、其の二か。

 僕は軽く頭を下げた。


 「殿下との婚姻が成した際には、側仕えとして着いて来てくれるのでしょうか?」


 「もちろん!」


 !!! シャル、今、思いっ切り巻き込んだよね!


 向かいにいるレイリア、ミリヤさんと順に目が合った。

 二人は顔を逸らして肩を震わせた。

 そんな二人の様子を見たシリウスさんが眉間に皺を寄せている。

 もしやと隣を見る。

 アンさんとケイトは顔を逸らした。

 僕はジーとアンさんの横顔を見つめる。


 「こちらを見ないで下さい。笑いを堪えられなくなります」


 酷く理不尽なことを言われた……。


 「殿下のお手をわずらわせてはいけないので、その者は私のところにて側仕えの教育をいたしましょう!」


 「「「「「「「………………」」」」」」」


 僕とシャルたちは唖然としてしまった。


 「彼女のことは二人に任せているのでお断りします。途中で教育方針が変わるのは彼女のためにもよくありません」


 「ですが、フルスヴィント殿とエテレイン殿はお忙しい身、ここは私がお手伝いいたしましょう!」


 これには、先ほどまで隠れて笑っていたレイリアとミリヤさんも眉間に皺を寄せていた。

 すると、アンさんが一歩前に出る。


 「いいでしょう。ですが、この子は私が自ら育てたいと思わせた者。私からこの子を取り上げるのでしたら、まずは、私を倒してからにして下さい!」


 アンさんが強く言い放った。

 僕は、彼女のカッコいい姿に見惚れてしまう。

 彼女は、さらに一歩、歩みを進めると、議場が緊張感に包まれるていくのを感じる。


 「ヒィッ! フルスヴィント殿とことをかまえる気はありません。申し訳ありませんでした」


 彼は深く頭を下げて謝罪した。

 それを見たアンさんは、定位置へと戻ってくる。

 すると、議場の張り詰めた緊張感が緩んでいく。


 「フルスヴィント殿、愚息が申し訳ない。私からも謝罪を」


 アウレートも深く頭を下げた。

 アンさんって、何者?


 その後、静かになった議場を見回す宰相。


 「これにて、議会は終了とする!」


 やっと終わった。……ん? あれ? これで終わりって……。国内の情勢などとかを話さなくていいの? この国は本当にダメだ!

 そんなことを思っていると、議会は本当に終わっていて、僕は呆然としてしまう。


 「大丈夫ですか?」


 レイリアが僕を心配して、駆け寄ってきてくれた。


 「う、うん。大丈夫」


 僕がレイリアに微笑んで答えると、彼女も安心したように微笑み返した。


 「では、行きましょう」


 アンさんはそう言って、僕の手を取ると、玉座の後にある儀式の間へと続く扉に急いで向かおうとする。

 一方で、宰相がシャルに近付きいてくる。

 レイリアとシリウスさんがシャルのかたわらに付き、警戒した。


 「差し出がましいことですが、儀式の時に召喚された者がいるという噂が流れております。殿下にはお心当たりはないでしょうか?」


 「そんなことが起きれば、私かミリヤからの報告が行くはずです。それに、鏡が割れて中断されたのですよ。割れた鏡で、どうやって召喚されるのですか?」


 「そこの侍女が現れたのと、噂が出だした時期が同じでしたもので、気になっておりました」


 宰相は僕を見つめている。

 ミリヤさんが宰相の視線を遮るように僕の前に立つ。


 「閣下は彼女のことが気になるようですね。彼女はウルス聖教から、今回の儀式に合わせて、姫様の従者として送られてきた者です。もし、お疑いでしたら、ウルス聖教国に問い合わせて下さい。身元を証明してくださるはずです」


 「そうですか。これは老婆心ろうばしんでしたな。失礼な物言いをしたことを謝罪いたします。お許しを」


 僕たちは宰相はシャルに深く頭を下げ、離れて行くのを警戒しながら見届けてから、自室へと足早に戻るのだった。



 ◇◇◇◇◇



 戻ってきた僕たちは、テーブル席に着いてホッとしていた。


 「問題なくやり過ごせましたね!」


 「シャル、僕を巻き込んだよね?!」


 「あれは、とんだハプニングでした……」


 シャルはお茶をすすり、天井を見る。


 「最初は笑い事でしたが、後半は冷や汗が出ました」


 うん、レイリアは素直だ。笑い事だったとハッキリ言っちゃったよ!


 「宰相はフーカ様に興味をお持ちでした。今後、警戒を厳しくしたほうがいいですね」


 「そうね。あの口ぶりは何らかの情報を掴んでいそうだけど、どこからの噂かを調べた方がいいかもね。アン、頼める?」


 アンさんの助言を聞き入れたシャルは、今度は彼女に依頼をする。


 「はい、かしこまりました」


 アンさんが返事をする。


 「アノン卿も警戒したほうがいいですね。フーカ様にご執心でしたから……プフッ」


 レイリアは途中で顔をそむけ、アンさんたちの話に付け加える。


 「何、笑ってるの?!」


 僕は彼女の頬を摘まんだ。


 「フーカ様、いちゃいです……ごめんなひゃい!」


 皆が僕たちに温かい視線を向けるのを感じる……。


 「冗談はさておき、アノン卿はフーカ様の弱みを握るために探りを入れてくる可能性は高いです。そうやって、欲しい女性を手に入れる方ですから……」


 アンの提案に皆が賛成し、アノンも警戒することとなった。

 そして、シャルが何かを思い出したかのように口を開く。


 「イーリス、こちらに残る人はいるの?」


 「いません。三日後に最後の者がユナハ領へ向かえば終了です」


 「イーリス、ケイト、ミリヤは仕えている者たちを先に送りなさい。そして、イーリスは宮廷に移りなさい」


 「「「はい!」」」


 三人が返事をした。


 「シャル様、我々とユナハに同行する者を近衛騎士団一〇名、親衛隊五名、侍従五名にし、他の者は我々の出立の前日に送る予定にしていますがよろしいですか?」


 「ええ。シリウス、それでお願い」


 「それなんですが、それぞれの家族や親戚の移動に近衛騎士団と親衛隊から数名ずつ付けてはいかがですか?」


 「そうね、そうしましょう。シリウス、悪いけどレイリアの案に合わせてもらえる?」


 「はっ! かしこまりました」


 「レイリアがまともなことを言ってる……」


 「フーカ様、それはどういう意味ですか? 少し黙っててください!」


 「ごめんなさい」


 レイリアに叱られてしまった……。


 「ケイトの実家は商家だけど、大丈夫なの?」


 「商品があるので大変ですが、すでに始めていますから、三日後にはもぬけの殻です」


 「では、私たちの移動は五日後の五月二〇日にしましょう!」


 シャルによって、予定は決められた。


 「ユナハ領までは、どのくらいかかるの?」


 「順調にいけば、一〇日くらいです」


 「使者はもっと早かったよね?」


 「使者や伝令は風魔法と強化魔法を使いますから、それに、今回はワイバーンを使ったので早かったのです」


 シャルの言葉に興味をひく単語があった。


 「ワイバーンって……」


 「飛行に特化した竜種です……そうでした、呼人の伝承だとフーカ様の世界には存在しないんでしたね! 城内にワイバーンの厩舎きゅうしゃがありますけど、この前は見に行きませんでしたね」


 レイリアがドヤ顔で話す。

 何故、ドヤ顔をするのだろうかと思ったが、流すことにする。


 「アンさん、何故、城内案内のときにワイバーンを見学させてくれなかったの?」


 「フーカ様とワイバーンを会わせて、何か事が起きたら対処しきれません!」


 そこまでハッキリと断言されると……。

 僕はショックでテーブルに伏せた。


 「ところで、フーカ様はいつまでメイドの姿でいるのですか? もしかして、アノン卿に見初められて自信がついちゃいましたか?」


 レイリアが茶化してきた。


 「ただ、精神的に疲れてたから忘れてただけだよ。そういえばレイリアって、下の赤毛も手入れしてたんだね!」


 下ネタ? セクハラ? で意趣返しはどうかと思ったが、レイリアなら大丈夫だろう。


 「えっ? えっ、えぇぇぇぇ! なんで……?」


 彼女は顔を真っ赤にして動揺すると放心状態になってしまった。

 そして、シャルたちは困った顔をしつつも笑っている。

 しかし、僕は彼女を見て、やりすぎたと反省した。


 もしかして、レイリアは美容魔法で周りを魅了するほどに綺麗な身体になっていることと、身体中にあった傷痕が消えていることに気付いていないのではないか……。

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