第44話 旅立つ準備

 朝、目を覚ますと横にオルガさんの顔があった。

 可愛くて思わずほっぺを手の平で包んだ。


「う、うう~ん」

「ごめん、起こしたかい」


 2人で横になり見つめ合う。

 昨夜のことを思い出すと恥ずかしくなる。


「起きようか?」

「えぇ、早く起きないとパメラ達に怒られそう」


 俺達は着替え朝食を食べに食堂に行った。

 朝食を頼み見渡すと、パメラさん達はすでに朝食を食べていた。

 俺達は同じテーブルに座った。


「お早う2人共」

「「 お早う! 」」

『昨夜はどうだったのオルガ?』

『朝から、なにを言ってるのルイディナ』

『朝だから言っているのよ。今度は私の番だから気になってね』

『そ、それはゴニョ、ゴニョ、ゴニョ』

「なに2人でこそこそ、しているの?」

「パメラ、大人の話よ」

「大人ね~」



「はい、いいかいみんな聞いて」

 俺は3人に言った。

「今日はまず洋服屋に礼服を取りに行こう」

「あぁ、そうね。そろそろ出来ている頃だよね」


 朝食を食べ俺達は、洋服屋へ礼服を取りに行った。

 服は仕上がっており、実際に着てサイズを確認し店を出た。




 今度は武器屋だ。

「こんにちわ」

 ドアを開けるとブルーノさんがいた。

「丁度、出来ているぞ。まずはミスリルのバスタード・ソードだな」

 オルガさんにバスタード・ソードを渡した。


「次はクロスボウだな。これは調整に苦労したぜ」

 おぉ、これはコンパクトで持ちやすそうだ。

「裏庭に出よう、そこで剣を振って調子を見てくれ。弓も試し打ちをしよう」

 そう言われ俺達は、建物の中から裏庭に出た。


 まずはオルガさんのバスタード・ソードからだ。


 シュン、シュン!!シュン、シュン!!シュン、シュン!!


 とても軽そうに剣を振るオルガさん。


「これはいい、バランスが丁度いいわ」

「そうだろう、わしの会心作だからな」


 そして今度はルイディナさんのクロスボウだ。


 シュゥ! ドスッ!! カシャッ!! シュゥ! ドスッ!! カシャッ!! 


 引き金を引き矢が放たれ、レバーを引きまた矢が装着される。

 これは良い。


「凄く打ちやすいわ。持ちやすいし、威力もありそうだわ」

 ルイディナさんが喜んでいる。


「このクロスボウは良いぞ。弓が短いから長距離は無理だが、中距離までなら威力もある。台座上の矢を入れるカートリッジは10本入る。10連射できるぞ」


「10連射!凄いわ。これなら大概の魔獣は倒せそうね」


 そして最後はレッドキャップの魔石で作ったワンドだ。

 

「おい、ここで魔法は試してくれるなよ」

 なにかを察知したのか、ブルーノさんはパメラさんに注意をした。

「とても魔力の流れが良いわ。きっと威力が上がっているはずよ。早く試したいわ」

 威力が上がっていないと困ります。

 ウインドカッターならぬ、ウインドブリーズそよかぜでは。


 そして俺はブルーノさんに男爵になり、この街を出ていくことを説明した。

「ほう、男爵になったのかい。良かったな」

 そう言ってくれた。

 そして旅立つまでに出来るだけでいいので、クロスボウの矢を作ってくれるようにお願いした。


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