5
『良かったな。父親さんとも、仲直り
……毎度毎度の事だけど、何だって
と思いつつ、自宅のテラスから
「はいはい、そうです、ありがとうございますー」
『雑』
「一言は無くない!? そっちのが、雑じゃん!?」
つい、叫んじゃったじゃん!?
これでママに叱られたら、あんたの
『で? 本題は?』
こっちがムスッとしてると、
「一つ目。
今度さ……シーソー乗ってみてくれない?」
『分かった。
「うん。
けど……そろそろ、足りなくなって来た。
「それと、さ。
「はっ……はぁっ!?」
『俺……
どういう意味かなんて、白ける質問、してくれるなよ?
あと、答えは聞いてない。分かり切ってるし』
「ちょっ、待っ……!?
そんなん、反則……!?
あんたって、ホント
『
先に鉄板フラグ立てたの、あんただろ?』
「そうだけどぉ!!」
退路まで断つとか、抜け目無さ
『なぁ? やっぱ、撤回。そろそろ、答えてくれない?
ぼちぼち、はぁ……しんどい』
「イエスに決まってんでしょぉ!?」
『だよな。知ってた』
「〜っ!!」
なんかこう、切なそうな息遣いとかしちゃってさぁ!!
あんた今、
あっけらかんとしちゃってさぁ!
などとアワアワしつつ、
「ねぇ、
人としても、オタ友としても、異性としても、好き。
……愛してる」
『……うん。俺も』
俺も……何? と息を呑み、続きを心待ちにする。
が。
プツッ
「……は?」
え? 切れた? え、完全に切れたわよね? え、何で? 別に、ボタンとか押してないわよね?
……切られた?
「はぁぁぁぁぁ!?」
何それ、信じられない!!
あそこまで引っ張って、期待高まらせといてブッチとか意味分かんない、有り得ない、全体的に
しかし、その手を誰かが止め、口から出ていただろう暴言を止めた。
それが
「んんっ!? んぅ……」
いきなりで動揺したが、やがて
「なん……で……」
唇が離れ、キスの余韻に浸っていると、
「……言ったろ? ぼちぼち、しんどかった。
んで、多分あんたは父親さんと話せただろうし、そのタイミングでコクってくるだろうなと確信してたんで、ここで待ち伏せしてた」
「……聞いてない……」
「言ってないから。
てか、あんたの母親さん、ラスボスだと思ってたけど、存外チョロいな。
「……
「それに関しては、もう本人が充分に罰を受けて猛省もしたし、あんたとまた仲良くなれたからチャラ。
てか、『今の俺は』とも言ったろ」
最悪。
こいつは、
好きで、好きで、
「『俺も』……何?」
「……愛してる。
俺と……付き合って?」
普段は無表情のテクスチャ貼ってる
自信満々って顔してる
それでいて、
一つ一つが、
ウケるけど、すっかりベタ惚れだ。
「そんなん、喜んで引き受けるわよっ……。
この、不法侵入者っ……」
「それは、
「全部っ……!!」
分かってて
そして、今度は
※
名付けるなら、そう……斜関距離。
それが、
生意気な態度を取ったり、面倒臭そうにしてたり、局地的に妙にデレデレ甘えたり、どこか斜に構えて茶化したり。
そんな風に、ともすれば不愉快なスタンスを演じていないと、誰かと関わる事が出来ない。
不安だから。それでも
でも、だからこそ、思いだけは常に、それが無理ならなるべく、ストレートに届けて行きたい。
だって、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます