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全ての
当時の修学旅行の際に起きたある出来事により、
それは男女、そして何人かのグループに別れ、ホテルの部屋に入った頃に起きた。
未成年だというのに酒を飲み始めていた男子共は、程なくしてテレビにある物を映し始めたのだ。
年頃の男子が集まった時に見ると言えば
その
彼は昔から、色に多大な関心を示していた。具体的には、花や宝石など、どちらかと言うと女子(取り分け
それはもう、夏休みの自由研究でも色について纏めていたし、今でも何かを買う時にはデザインや機能性、価格などは無視しカラーによって決めている
だからこそ
こうして、この修学旅行は、
そんな『終学旅行(本人命名)』を終えて一週間後に期末テストが控えていた
事実、件の日を堺に
翌日、妙な態度を取られ続け、班行動にまで不参加の意を表した彼に痺れを切らした私が問い詰めた事で、例の件が明らかになった。
飲酒にも関与せず巻き込まれた側の
それ以降は、
逃げて、逃げて、逃げ
二次元ならば、汚くも、暴力的でも、グロくもない。
二次元だったら基本、一方通行なので、関係が拗れる事は
二次元であれば、自分のシナリオ、設定次第で、好きな
二次元は、自分を
そうした好条件から、
元々、勉強そっちのけで、小説ばかり書いていた
実際に彼の生み出すストーリー、設定、キャラクターは魅力的で、
だが、そんな彼には恋愛、取り分けPCゲーム方面において致命的な弱点が、一つだけ有った。
どれだけシナリオが優れていても、どれだけ登場人物が魅力的でも、どれだけ
それは、恋人経験が無い事だ。
彼から誰かに恋心を打ち明けても、「
だったら
が、
そんな折に、終学旅行というイベントが発生した事で、本格的に現実の恋愛とは、今度は故意に遠のいた。厳密には、遠ざけた。
一部の無神経な女子は、私との物理的な近さがなくなった今がチャンスとばかりに、「私のは綺麗だから」、「変なプレイとか強要しないから」といった言葉を武器に彼をオトそうと躍起になるも、そもそもの目的が引き金となり彼の反感、怒りを買い
そうこうしている間に高校を卒業し、フリーランスのライターとなった彼だったが、上述の経緯により、どの作品でも最初はスクリプトしか任されなかった。
その後も、別の作品の共通ルート、次にまた違うゲームの個別ルートを預けられ、徐々に知名度を上げるも、俗に言う本番には着手出来ずにいた。
二年もそんな風にしている物だから、既にネット上では彼の正体を見抜いている者も一定数居る(別にアンチではなく、彼のシナリオ自体は
その内、プロデューサーとなり、
こうして、彼が水面下で崖っぷちに立たされていた、正にその時。
「生徒ですよ」、と。
これは彼の可愛らしい所、長所でもあるのだが、彼は
彼にとっては
この日も彼は、無邪気に
正直、そこからの記憶は曖昧で、どんな風に笑っていたとか、どんな自己紹介をしたかとか、どんな話題を提供したかも、果ては帰宅ルートさえも定かではなかった。
電車かバスか、タクシーかヒッチハイクか、
先生が好きだ、今でも好きだ、大好きだ。けれど、先生はそうじゃない。
先生にとって
彼に
でも、月並みではあるが、想いを伝えないで苦しむよりも、想いを伝えてフラれてもがき苦しむ方が何百倍も辛いので、
こんな、中学生みたいな悩みを、
告白しよう。
この頃丁度、成人式も終え、その後の飲み会の席にて、もう既婚者が何人か生まれているのを知り、他にも色々と有り、
そんな時に、これだ。
ここまで来ると、荒れるのを通り越して荒れ果て、枯れ果てた
そう、
一人ではもう、我慢出来ない。
満足できない。
慰められない。
乾きが埋められない。
だって、いつもみたいに、
どこかの店か最悪、その辺の男でも適当に引っ掛けて、その姿を、声を彼の物に脳内変換し、交わらないと、気でも触れそうだった。
嘘でも虚勢でもなく、自殺しそうな勢いだった。
そこまで話して
『だったらさ……俺と、しねぇ?』と。
別に、
決して、前は見ないし、パコりは
場所はシャワー室でやるので、
これなら、セーフだろ。
そう、
と聞くと、彼はバツが悪そうに答えた。
自分も経験が少ないので、これを参考に本番も書ける
そして何より、お前を助けたいんだと。
彼が一通り話し終えた頃には、
例えば、彼に対して『恥ずかしがるポイント、違わない? ラグんなよ』などと、普段通りの会話が出来るくらいには、全快とは言い難いが、メンタルが回復していた。
そして、その返答により
気持ちが同じ、
この日から早速、
PCゲームにより学んだ彼のテクにより出た声やリアクションに
本人だって、ひょっとしたら豹変したいかもしれないし、そうじゃなくても現段階の彼は3次元を受け付けない
そんな、ケータイ小説か週○ガみたいな
一ヶ月に一回、実家に帰る際には二人で帰った
が、眠気に襲われるも、どうにも落ち着かなく寝付けず結局、また
そんな事を、何度か味わった。
が結果的に、我ながら面倒な事に、そうしている
その果てに
その為に、アカちゃんのタイプを改めて調べ尽くしたり、彼女の著作を先生に計算で薦める事で間接的に姉に興味を持たせる事にも成功した。
そんな
まだカップルではないが、それに近い関係にはなった。
これで、
なのに、
あんたは
※
思えば、こんなに荒々しく気持ちをぶつけた機会なんて、今まで無かったかもしれない。
あの終学旅行の時でさえ、ここまで荒々しくはなかった。
そんな、人生初かもしれないマジ
「はっ。
……
言い
「だったら、その泣き腫らした顔は
ここに来て数秒の、生きてんだか死んでんだか、機械なのか人間なのか判別し辛い、その顔は」
「……!! 別にっ……!! 泣いてなんか
「……お前さぁ。
寝言でまで名前を口にする
お前の言い訳は、根本的に、初めから破綻してんだよ」
足を戻した
「お前……俺に気ぃ遣ってんだろ? ただ、それだけなんだろ?
……
最初に提案したのは俺だ、断じてお前じゃねぇ!
色々と馬鹿げてんの承知した上で、ここまで続けて来てんだ!
なもん、今更どころか元から、重荷でも迷惑でも
散々あれやこれや溜め込んだ結果、またお前に
自分の胸倉を掴み、向こうも泣きながら、
「お前の心は、まだ乾いてんだろ!?
助けてくれと、慰めてくれと、救いを求めてんだろ!?
だったら、俺を使え!
頼らなくても愛さなくても全然、構やしねぇ!
俺を都合良く、ズタボロになるまで、
俺は、お前が少しでも笑顔でさえ居てくれるなら、他にゃ何も
それで、それだけで、充分なんだよぉ!!」
「……っ!!」
ああ、
普段はそうでもないけど、私が欲している言葉を、必要としている心を、ガチで限界の際には、いつだって届けてくれる。
……もっと普通に
一体どれだけの長い時間が、報われたというのだろう。
「……
彼が壁に当てていた手を降ろし、涙がぶり返して来た
「約束、破るっ……!!」
彼の頬を両手で挟みロック·オンし、
互いに合意の上でNGにしていた、キスに及んだ。
それでも、実行せずにはいられなかった。心が乾いて、騒いで仕方が無かった。
「〜っ!?」
口付けを交わし続けていると、声にならない言葉が駆け巡っていた口内に、覚えの無い感触が生まれた。
いや、違う。正しくは、一つしか覚えの無い感触……舌だ。
ディープ·キスで、応えてくれた。
「か、づ……きぃっ……」
一旦、離れ、上気した瞳を交わし合う。
そして、
「……馬鹿が。俺の心まで、焚き付けやがって。
こうなった以上、もう後戻りなんざ
ブレーキ効かないまま突っ走るだけだ。
肩で呼吸しながら言うと、
そして、柔らかでいて不気味な雰囲気を纏い、
「それじゃあ、
本日の特別授業を始めましょうか」
相変わらず、実にお
「……うん。
思う存分、滅茶苦茶にして。センセ……」
こうして
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