第32話 どこにいたって
今日はダニエラにこの国について教えてもらっている。
『この世界』といってもわからないだろうから、国といい換えた。
今いるところはアンドレ大陸東、イサップ王国の王都オーランドだ。
近隣諸国ともここ数年は大きな争いはないという。
さらに北の大陸には亜人と呼ばれる
人族と亜人は境界線をつくり、争いが起きないように居場所をわけているわけだ。
それと普段、亜人との行き来がないため、詳しい詳細はわからないらしい。
まして険しい山岳道を超えていく用事もいまのところないようだ。
しかし人族と親密にしているのが
昔から人族と関わり合い街に行けば店を構えている。
自分の作った武具の性能を探求したいと、あえて人族と暮らしているそうだ。
人族もそれを受け入れうまくやっている。
それから
森に住み尖った耳と人族よりもずっと長寿な種族だ。
風魔法を得意とするものがおおく、弓の腕は1km先の的を打ち抜くという。
うぅ~、ファンタジーや…。
もっと早くに他の人に教えてもらおうかと思ったけど、学問していない人からの情報よりは教育を受けた人から教えてほしかった。
この世界の人達は国から教育を受けているわけではない。
だから近隣諸国や国の諸事情など聞いても知らないのだ。
人々は自分たちの日々を暮らしで精いっぱいだったからだ。
そろそろ、飽きてきたな?
ふぁ~!!
「まあ、レオったら。人に教えてもらっているのに」
『ごめん、ごめんダニエラ』
「そうだわ、息抜きに一曲引いて上がるわ」
そういうとダニエラと俺は別の部屋に移動をした。
するとそこにはチェンバロのような鍵盤楽器が置いてあった。
「いい?弾くわよ」
ダニエラは曲を弾き歌い始めた。
チャンカ、チャンカ、
チャチャンカ、チャンコ、
ひ、ひどい…。
詩に適当な曲を付けただけの歌。
こんな歌が楽しいのだろうか?
曲を弾き終わりダニエラが聞いてきた。
『う~ん。俺はモモンガだから良さがわからないよ。そうだ今度はお礼に、俺が歌うね』
「まあ、レオも歌えるの?!凄いわ。でもモモンガ語は私にはわからないわよ」
『もちろん、ダニエラにもわかる言葉で歌うよ』
そういうと俺は歌いだす。
『より良い人生を送るために君の愛が必要だ♬
どこにいても君が欲しい。
君がそばにいれば僕はなにも気にする必要がことはない♩
君を愛するということは、どこにいても君が必要なのだ。
愛とは分かち合うことだと僕は知っている。
そして愛は死なないと信じている。
僕らの愛は決して死なない♫
彼女の瞳を見つめながら僕はいつも、君がそこにいることを望むよ♪
僕はどこにでもいる。
ダニエラは歌い終わっても、俺の歌に聞きほれていたのか黙っていた。
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