第24話 到着

「まあまあ、怒らないでレオ君」

 キリルさんになだめられ頭を撫でられる。

 でへへへへ。

 思わずデレてしまう。


「このことは王都に帰ったらギルドには伝えておこう。なにか救済処置があるかもしれないからな」

「ありがとうございます。そうして頂けると助かります」

「これは少ないが」

 そういうとジャンはマジック・バッグから金貨の入った袋を取り出した。

「役には立つだろう。取っておいてくれ」

「こ、これはありがとうございます。なんとお礼をいっていいやら」

 かっこいい!!

 俺も収納魔法が使えれば…。


 倒した魔物を収納しておいて、いざという時に出してこういうんだ。

『これを換金して生活の足しにしてくれ』

 きゃ~、レオ様!!!

 きゃ~、きゃ~、きゃ~!!

「レオ君、どうしたのかな?」

『な、なんでもないよキリルさん』

「では王都目指して出発よ」


 俺達は村を出て歩き出す。

 夕方になり今夜はここで野宿だ。

 といってもただ、木の下で寝るだけだけど。


 火を起こし焚火をする。

 干し肉を彼らはバッグから出して各自食べている。

 3日もこんなものばかり食べるのかよ。

 俺は食事の木の葉や樹皮、花やつぼみを探しに飛び立つ。


 夜は交代で見張りをする。

 もちろん俺も参加したよ。

 そして3日か経ち王都に着いた。


 城門に入る時にそれは起こった。

「はい、身分証を見せて。これは『草原の牙』のみなさんでしたか、どうぞお通りください」

 彼等は王都でも有名な冒険者みたいだ。

 それはそうか、冒険者ギルドから依頼が出るくらいだからね。

「待ってください、その肩の獣は…」

「これはペットのレオ君よ。可愛いでしょ」

「はあ、しかしおしゃれな服を着てますね」

「私の手作りなのよ、おほほほほ!!」

 キリルが奇声を上げる。

「で、通って良いのかしら?」

「ど、どうぞ。さあ、お通り下さい」


 そういわれ俺達は中に入った。

「ごめんねレオ君。ペットなんていって。そうしないと面倒なことになりそうだったから」

『まあ、仕方がないさ。ペットと言われるのは嫌だけど、俺の姿を見たら変だと思うからね。ペットに服を着させて喜ぶ飼い主もいるから」

「そういってくれて助かるわ。さあ、冒険者ギルドまであと少しよ」


 街は賑わい人々は活気づいている。

 そしてここが冒険者ギルドか。

 俺たちはスイングドアのある建物の中に入った。


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