第23話 じゃないよ。

 近くに行くと村の建物は火を点けられ燃えていた。

 よく見ると15~17人の剣を持った男たちが村人を切りつけている。

 更に叫び声が鮮明に聞こえてくる。

「キャ~、助けて!!」

「子供だけは、どうかお願いします、グァ~~!!」

「おとうさん…」

「ほら、他の女も逃げてしまうぞ!!女は捕らえ、男はみな皆殺しだ!!」


「ちっ、野盗だな」

「こんな昼間から堂々と…」

「ラルフ、キリル、2人共いくぞ!!油断はするなよ」

「わかっているわ」


〈〈〈〈〈 アイスニードル 〉〉〉〉〉


 キリルが水魔法を叫ぶ。


 ガッ!!ガッ!!ガッ!!ガッ!!

  ガッ!!ガッ!!ガッ!!ガッ!!

   ガッ!!ガッ!!ガッ!!ガッ!!


 すると地面から野盗に向って氷の刃が延びて行く。

「うわ~!!なんだこれは?!」

 そしてジャンとラルフの2人が、次々と野盗を倒していく。


 うわ~!!氷系の魔法も凄い!!

 このスキルも欲しいな。

 それには魔物を倒して、レベルをたくさん上げないとな。


「てめ~!この野郎!!」

「うわ~!!」

 ガッン!!

「や、やめてくれ!!」


「う、動くな!!」

「た、助けて~、お願い!!」

「剣を捨てろ!!」


 男が女性の首に手を回しナイフを突き立てている。

 ジャンたちが悔しそうな顔をする。

 まあ、人質は生きているから人質なのであって、傷つけたら意味がないと思うけど。

 だから理屈的には人質は無事、てことになる。


「脅しじゃないぞ!!それ!!」

 首に当てた剣を軽く動かした。

 ジワ~。

「い、痛いわ!!」


「仕方がない」

 ジャンがそういい剣を捨てようとする。

 まあ結局、理屈ではないということだね。


 俺はキリルの肩から飛び上り、高速で野盗にパンチをお見舞いする。

「バッァ!!」

 男は顔面にパンチを受け吹き飛んでいく。

 もう、面倒だ。


〈〈〈〈〈 百華連打 〉〉〉〉〉


 俺は残った野盗のところに移動し連打していく。


 バンッ!!バンッ!!グァ~!!ドンッ!!バンッ!!

  ドンッ!!バンッ!!グェ~!!バンッ!!ドンッ!!

   バンッ!!バンッ!!グァ~!!ドンッ!!バンッ!!

  ドンッ!!バンッ!!グェ~!!バンッ!!ドンッ!!

 ドンッ!!バンッ!!グェ~!!バンッ!!ドンッ!!


 これで一通りは倒したはずだ。

すると村人の中から代表なのか老人がでてきた。


「この度は村の窮地を救って頂きましてありがとうございます。なんとお礼をいっていいか。しかし見ての通り家は焼け落ち、復興するのにどれほどのお金が…」

「礼には及ばない。俺たちは王都の冒険者だ」

「おう、王都のですか。こんなところまでお越しとは…」

「他に依頼があってな。その依頼を終わらせた帰り道だったんだ」

「しかしそのあなた方が使役しえきしているムササビの魔物は凄いですな。あっという間に野盗を倒してしまった」


『ムササビじゃないよ、モモンガだよ』


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