第2話 ここは、魔物の森
6年だった4月、父と二人馬に乗って領内を見て回った。領地は、中央大陸の最南端で南に魔物の森かある。
中央大陸の南には魔大陸かあるため、異形型の魔物が森に住み着き魔物の森と呼ばれるようになったそうだ。
ミレー領地は魔物の森と面しているため、市民よりも国兵のほうが多いという状況だ。
(まぁ、仕方ないよな…)
「父上、なぜ人は魔物に勝てないのですか?」
「お前も12歳か、言うべきだな。魔物には魔力がある。そのせいで人にはない力を得ることができるのだ」
仕組みは、簡単だった。人は魔力を持つ者が少ない。しかし、魔物は必ず魔力を持っている。だから、勝てない。それだけだった。
「父上、僕たちが魔物に勝つためにはどうしたら良いのですか?」
「そうだな、魔力を多く持つ人なら勝てるが人数が圧倒的に少なすぎるから、上位1級か2級の冒険者がいれば、戦えると思うぞ」
「そうですか、ありがとうございます」
「そうだヴェゼル、お前も魔術適正があるか調べてみるか?」
「いいんですか?」
魔術適正がある人は、魔力が多かったり、常人が100の魔力を使っても、魔術適正がある人は1の魔力で使うことができるそうだ。
魔術適正がない人は、剣や弓、槍で戦うことになる。
「剣と槍だけは、ゴメンだな…」
俺は、小さいけれど確かな一歩を踏み出した。
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